知事提出議案に対する反対討論

12月22日の12月定例会最終日に、金子県議が知事提出議案に対して討論を行いました。

討論全文は以下の通りです。

日本共産党の金子正江です。党県議団を代表して、知事提出議案第110号議案「埼玉県税条例の一部改正について」第124号議案「埼玉県平和資料館の指定管理者の指定について」第156号議案「首都高速道路株式会社の埼玉県道高速葛飾川口線等に関する事業の変更の同意について」反対の討論を行います。

まず議案第110号「埼玉県税条例の一部改正について」です。

この改正で、滞納税の「換価の猶予」を求める制度・手続きが条例化されたことは、大きな前進です。しかし同議案の不動産取得税の控除については、認めることのできない問題があり反対いたします。

これは、国が決めた「都市再生特別措置法」に基づく認定事業者が、さいたま新都心駅周辺と川口駅周辺などにおいて、土地・建物を取得したとき、その価格の5分の1を不動産取得税の課税標準から控除するというものです。

これまで、国の地方税法によって定めていた控除を、埼玉県独自の額として条例で定めることになりました。過去川口市のリボンシティ開発事業地域において、サッポロビールなどが3500万円の不動産取得税控除を受けております。

認定には専有面積1ヘクタール以上という要件もあり、超大企業でなければ申請は無理です。現在は、さいたま新都心、川口駅周辺の2地域ではありますが、今後再開発計画が認定される可能性はおおいにあります。一部大企業のみを優遇して、このような都市再開発熱をあおる税制措置には反対です。

第124号議案は埼玉県平和資料館の指定管理者の指定についてです。ご案内のとおり、埼玉県平和資料館は、「戦争の悲惨さと平和の尊さを後の世まで伝え続ける」(館内知事の言葉)ことを目的とした、全国でも数少ない貴重な資料館です。わずか3年前まで直営で運営されておりましたが、指定管理委託と同時に館長職をなくし、その諮問機関である平和・遺族団体や有識者からなる第3者機関「平和資料館運営協議会」が廃止されました。私たちは日本の平和な未来を保障する公益的な教育活動は、民間事業者にゆだねるべきではなく、直営運営として館長をおき、第3者機関の意見を尊重しつつ運営されるべきだと主張し、指定管理制度導入に反対しました。現在の事業者の集客のための努力は認めるものですが、軍服を着ての撮影などが、平和資料館の目的に合致しているのかと、県民より疑問の声があがっています。この点からも3年前の主張が改めて意味を持つものと考えます。平和資料館は直営で運営されるべきです。よって指定管理者の選定には反対するものです。

最後に第156号議案「首都高速道路株式会社の埼玉県道高速葛飾川口線等に関する事業の変更の同意についてです。現行の高速自動車道の近郊区間の料金を統一することによって、経路によらず最短距離を基本料金とすることは評価できます。しかし、36キロ以上の利用は930円から1300円へと料金を値上げします。激変緩和措置があるとはいえ、多くの利用者が負担増となります。また、2区分であった車種区分を5車種区分にすることによって、中型車は普通車の1.2倍の料金となります。猶予期間などが設けられるとはいえ、中型トラックなどを利用している運送業など中小業者への経営に大きな影響を与えます。以上の理由から、第156号議案に反対するものです。

以上です。