日本共産党埼玉県委員会と党県議団は以下のような声明を公表し、県民とともに虐待禁止条例改正案の撤回に追い込む決意を示しました。
2023年10月7日
日本共産党埼玉県委員会 委員長 荻原初男
日本共産党埼玉県議会議員団 団長 城下のり子
「もう第2子は産むのをやめます」「埼玉県から引っ越します」
10月4日に埼玉県議会自民党より県議会に提出され、6日に自民党・公明党によって委員会可決された虐待禁止条例改正案に対して、子どもを育てている保護者たちの反対の声が急速に広がっています。
同条例案は、児童の養護者の事情いっさいを考慮することなく、児童の放置を禁止し、養護者たちに過度な精神的・肉体的・経済的負担を強いるものです。「自宅に9歳以下の子を残して、回覧板を届けたり、ゴミ出しをする」のは距離によって禁止。「9歳以下の子どもだけで公園で遊ばせる」「9歳以下の小学生だけで集団登下校」は禁止・・・禁止行為があまりにも広範囲にわたることから、法学者から憲法に抵触しかねないと批判されています。
罰則規定はありませんが、委員会の中で答弁者は「現時点ではない」と今後導入の可能性を示唆しました。また近隣住民に通報義務を課していることから、養護者のささいな行為を隣人が監視する事態が予想されます。養護者への中傷や、警察・児童相談所への通報の殺到による混乱も必至です。
一方で、待機児童解消など児童の放置の防止に資する施策について、4月1日の施行までに間に合わせる義務を行政には課していません。これでは児童養護者への禁止事項の広さに比べて、バランスを欠きます。
児童虐待の根絶は、日本共産党が一貫して取り組んできた重要課題です。しかし、大切なのは養護者に広範な禁止事項を押し付けることではありません。児童を養護する者を、社会全体で支援し地域の連帯の中で包み込んでこそ、虐待解消の道は開けます。現状の条例案では、養護者を追い詰め、近隣への疑心暗鬼を広げ、むしろ虐待を助長しかねません。
党県議団は、これまで条例の危険な本質を明らかにし、委員会では反対してきました。条例の本会議採決は10月13日です。虐待を防止するどころかむしろ虐待を助長する同条例案の撤回にむけ、県民の皆さんと力をあわせ、全力を挙げる決意です。
以上