2024年度予算要望にむけて、様々な団体の方々との懇談が9月13日行われ、午後からは埼玉母親大会連絡会、新日本婦人の会埼玉県本部、埼玉県農民運動連合会の方々のお話を伊藤はつみ県議が聞きました。丸井八千代日本共産党埼玉県委員会副委員長も参加しました。
教育予算を拡充し、県立高校のタブレットの公費負担、教員の未配置・未補充問題の解決を
母親大会、新婦人からは共通して教育に関しての要望が出されました。
◆教員の定数増
母親大会からは「産休の代替さえもすぐに配置されない。産休が出ると担任を持っていない教員が担任につく。仕事量は変わらないので、担任を持っていない教員の1人当たりの仕事量が増え、負担が重くなっていく。定数を増やすしかない」との訴えが出されました。
◆タブレット購入は公費負担で
タブレットは小学生中学生には国からが用意していますが、埼玉は高校のタブレットは自己負担となっており、補助金等もありません。多くの学校が一括購入し、保護者に費用を徴収する形式を取っています。
新婦人からは「タブレットの負担が4万から最大13万円にもなっている。ただでさえ高校入学すると制服代、昼食代、通学費、教材代、教室のクーラーの電気が保護者にのしかかってくる。タブレットは公費負担としてほしいが、それができないのならせめて、購入費補助をしてほしい」
母親大会からは「タブレットの充電設備が整っていない学校もあり、そうした学校は家で充電して来いと指導しているが、すべての子どもたちがきちんと家で充電してくるわけではない。タブレット配備というなら充電設備も整えなければ意味がない」と要望が出されました。
県民の相談にのる相談員は正規職員で
WithYouさいたま(埼玉県男女共同参画推進センター)の方に話を聞いてきた新婦人は「相談業務が本当に大変とのこと。消費生活センターの方も苦情が多く、対応がつらい」との声も出ていると報告。相談員は重要な業務です。だからこそ身分保障は必要ですが、埼玉県では非正規です。正規職員を配置する必要があります。
安心安全な食糧を日本の大地からー農業予算を拡充し、自給率の向上を
輸入に頼っていては日本の安全保障は守れない。安心安全な食糧を日本の大地から―日本の食料自給率を上げることが必要と3つの団体ともに共通話題になりました。農民連から「国の農業予算は全体の2%しかない。埼玉県も以前は2%あったが現在は1%となっている。この予算の引き上げが必要。国は自給率の向上を投げ捨ててしまった。130万人の農業従事者を半減させようとしている」との訴えがありました。
伊藤はつみ県議は「農業大国である欧米諸国では、農産物の価格保障や手厚い所得補償で農業経営を支え、農村や環境を維持し、食料自給率を向上させています。しかし日本には価格保障・所得補償はありません。農業予算を増やさないといけない」と発言しました。実際、欧米諸国の農業所得に占める政府補助金の割合を見てみるとスイス92.5%、ドイツ77%、フランス64%にたいし、日本が30.2%にすぎません。
懇談の中で、気候危機の中、災害が多くなっている。災害で作物がダメになったときの補償はあるのかとの質問が母親大会から出され、農民連が「基本は農協の共済や民間の保険に入っておけという対応」と語りました。
気候危機打開―ソーラーシェアリングの可能性
気候危機の話題になり、農民連からソーラーシェアリングの紹介がありました。
ソーラーシェアリングは農作物の上にソーラーパネルを設置し、農業と売電両方を行うものです。
農民連は「ソーラーパネルを作物の上に設置するといっても太陽光をすべて遮断するわけではないし、むしろ太陽光を少し遮るくらいの方が暑くなりすぎないでいい。この暑さで深谷ねぎがとけてしまっている」と話していました。
山間部を切り開いて太陽光発電施設を作るとなると自然破壊や土砂災害の危険が懸念される場合があります。気候危機打開のため、こうしたソーラーシェアリングは可能性があります。