床上浸水の被害者に支援制度をー埼玉県副知事に申し入れ

6月9日、党県議団と党越谷市議団と平野厚子草加市議は、「令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号による災害対策について」埼玉県に申し入れました。

6月2日からの大雨によって、床上浸水700戸以上床下浸水3000戸弱、各地で道路冠水、農業被害等が発生しました。埼玉県は災害救助法適用要請を迅速に行い、甚大な被害を受けた越谷市はじめ草加市、松伏町に法が適用されたことは、地元市町からも感謝の声があがっており、高く評価するものです。

今回、死者や全壊家屋がでなかったことは、幸いですが、床上浸水した住戸や事業所は多数に上っています。越谷市では「2015年豪雨でもフォークリフトが沈み数百万円かけて購入したにもかかわらず、また被害にあった」という事業者と出会いました。草加市では「新築の家に引っ越した途端床上浸水となり、車も水没してしまった」という家族もいました。床上浸水という被害が、1事業者や1世帯に与える損失は耐え難いものがあります。水害はこの10年間全県各地で頻発しており、床上浸水への支援など、被災者支援制度を水害に対応したものに見直すべきだと、党県議団は繰り返してきました。

 「じゃがいもの畑が水没し、売り物にならなくなった」など田畑の被害も深刻です。農業被害調査や農業者への支援が求められます。

 各地の聞き取りの中で、無堤地区の堤防建設が中断していたため被害が広がった、排水機場が機能しなかったなどの事実が浮かび上がっています。本格的な台風シーズンを前に緊急に河川、堤防、施設整備を急ぐべきです。

 被害の全容はいまだ明らかではありませんが、一刻も早い被災者支援と災害対策を求め、緊急に申し入れを行いました。

申し入れ項目は①被災者支援として、県・市町村被災者支援制度について、半壊と判断されない床上浸水家屋に対する給付を創設することなどを求めています。

②迅速・的確な避難誘導

③河川や排水施設などの整備として 中川・元荒川の合流地点の堤防整備、排水機場の整備や増強を求めています。

④調節池や貯留施設の整備  

⑤県道急傾斜地の対策

以上5点です。

申し入れには、山本悟司県副知事が応対しました。

城下県議団長は、「これから台風シーズンなのでぜひ対策を急いでほしい」と語りました。

越谷市議は「2015年に引き続いて、再び水没した地域が多い。毎回のことなので、なんとかしてほしい」

「川に時間をおいて水を出せるようにすることが必要。調節池の整備が必要」と語りました。

草加市議は、「八潮排水機場は急いで増強してほしい。雨水を流す下水があふれてしまった。これを整備する支援をしてほしい。」と語りました。

山本副知事は、

「6月3日の10時に災害対策本部を立ち上げ、災害救助法をいち早く立ち上げた。国と県と市町村が連携して取り組むことができる。

大野知事は6月3日の午後には現地に視察に行った。

想定を超える豪雨で河川への排水がうまくいかなかった。県管理河川の越水などは確認できていない。改めて流域治水の重要性を感じた」と語りました。

 

申し入れ全文は以下の通りです。

 

埼玉県知事 大野元裕 様

 

2023年6月9日

日本共産党埼玉県議団 団長 城下のり子

日本共産党越谷市議団 団長 山田大助

日本共産党草加市議     平野厚子

 

令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号による災害対策について

 

6月2日からの大雨によって、床上浸水700戸以上床下浸水3000戸弱、各地で道路冠水、農業被害等が発生しました。埼玉県は災害救助法適用要請を迅速に行い、甚大な被害を受けた越谷市はじめ草加市、松伏町に法が適用されたことは、地元市町からも感謝の声があがっており、高く評価するものです。

今回、死者や全壊家屋がでなかったことは、幸いですが、床上浸水した住戸や事業所は多数に上っています。越谷市では「2015年豪雨でもフォークリフトが沈み数百万円かけて購入したにもかかわらず、また被害にあった」という事業者と出会いました。草加市では「新築の家に引っ越した途端床上浸水となり、車も水没してしまった」という家族もいました。床上浸水という被害が、1事業者や1世帯に与える損失は耐え難いものがあります。水害はこの10年間全県各地で頻発しており、床上浸水への支援など、被災者支援制度を水害に対応したものに見直すべきだと、党県議団は繰り返してきました。

 「じゃがいもの畑が水没し、売り物にならなくなった」など田畑の被害も深刻です。農業被害調査や農業者への支援が求められます。

 各地の聞き取りの中で、無堤地区の堤防建設が中断していたため被害が広がった、排水機場が機能しなかったなどの事実が浮かび上がっています。本格的な台風シーズンを前に緊急に河川、堤防、施設整備を急ぐべきです。

 被害の全容はいまだ明らかではありませんが、一刻も早い被災者支援と災害対策を求め、以下の点を緊急に申し入れます。

 

Ⅰ、被災者支援について

①被災者に県税や水道料金など減免を行うこと

②県・市町村被災者支援制度について、半壊と判断されない床上浸水家屋に対する給付を創設すること。

③被災事業者への融資、支援を行うこと

④農業被害調査を行い、田畑の再建や農作物被害への支援を行うこと。

 

Ⅱ、迅速・的確な避難誘導を

「深夜に気づいたら胸まで水がきていた」「防災無線は全く聞こえなかった」など、豪雨時に防災無線はほとんど機能しない。メールやインターネットで情報を得られない高齢者などに小型防災無線機を配布する等、災害弱者の避難対策を進めること。

 

Ⅲ、河川や排水施設などの整備

①綾瀬川、元荒川、新方川の流量増加対策を

②中川、元荒川合流地点の堤防整備を

③三郷排水機場が機能しなかった原因解明と早急な対策を

④八潮排水機場の計画通りの増強を

⑤外郭放水路の延伸を

 

Ⅳ、調整池や貯留施設の整備

①市町村の雨水貯留施設の整備状況を把握し、計画値に近づけるよう財政支援を行うこと

②県の調整池整備を推進し、市町村の取り組みへの支援を行うこと。

 

Ⅴ、県道・急傾斜地の対策

①越谷八潮線の下間久里・弥十郎・花田・東越谷付近

・越谷流山線の全線 ・蒲生岩槻線の長島付近

などの冠水被害対策を進めること

②所沢市下安松地区の柳瀬川左岸の急傾斜地「あかばっけ」にセンサー設置を

 

 

以上