防衛省大井通信所の強化なぜ?ー伊藤はつみ県議が防衛省ヒアリング

5月29日伊藤はつみ県議は、塩川鉄也衆議院議員とともに「大井通信所の強化について」防衛省ヒアリングを行いました。足立志津子・塚越洋一・床井紀範・田中早苗ふじみ野市議、本名洋三芳町議、前原かづえ前県議、渡辺利文元町議らが同席しました。

 

防衛省情報本部大井通信所=「最重要施設のひとつ」

伊藤はつみ県議は「ここには看板も掲げられていない。『大井通信所前」というバス停をみて初めてここが大井通信所だとわかる」と語りました。

しかし、地元にも存在を隠すかのような施設が、意外にも重要施設なのです

 

ふじみ野市にある大井通信所は以下の通りの役割があります。

 

「軍事研究06年9月号」によると「大井通信所は全国各通信所からの情報の集約・中継ポイントとして機能するが、電波傍受・解析要員の訓練施設としても使われている」とのことです。

塩川議員によると「大井通信所は自衛隊における最重要施設の一つになっている」そうです。

しかも3月に防衛省が発表した「最適化事業対象地区」に大井通信所が上がっているのです。

レク中に防衛省の担当者は「調査を行い、整備計画をつくり、令和5年度から7年度で順次整備していく」と説明しました。最重要施設をさらに強化するというのです。

米軍も公開するのに、なぜ、秘匿する?

塩川議員はじめレク参加者からは「施設の概要は?」「アンテナの種類は?」「配置図は?」と次々質問がありましたが、防衛省はほとんど「答えられません」

これは、米軍サイトにアップされた所沢米軍通信基地内のアンテナなどの配置図です。米軍は公開するのに、なぜ、防衛省は秘匿するのでしょうか?参加者からの質問に、防衛省はこれもまた「何を収集しているか、敵に類推されないように・・・」と答えていました。

基地交付金の交付は「攻撃対象の危険性」??????

大井通信所のために、国はふじみ野市に対して2021年度には995万4千円、2022年度には1105万1千円の基地交付金を交付しています。1年で増えていますね!

レクチャーの場で総務省は、基地交付金について「固定資産税の代替的な補給金」と説明しつつ、配分の基準について「予算総額の7割を、価格(土地の)」「3割を国有財産の種類、用途、市町村の財政状況を考慮し一定のルールに基づき配分」と説明

どうやら、基地交付金は、土地価格つまり固定資産税と、イコールではないらしいです。どんな施設なのか、どんな目的で使うのか、こういう要素もあるのだということです。

そもそも、大井通信所には基地交付金が交付されていませんでした。公布開始は2005年度、レーダーサイト・特定の通信所が追加対象となりました。この時、「なぜ、交付されることになったのか?」という塩川議員や渡辺元町議の追及に防衛庁(当時)は次のように答えました。

「防衛庁の施設は大なり小なり危険と言える。湾岸戦争・イラク戦争でレーダーサイト、通信所が真っ先に攻撃される映像が印象付けられ、攻撃対象の危険を感じている住民感情は認識しており、それに答えたもの」

今回のレクチャーでも、総務省は「新防衛計画大綱で通信施設が重要とされたため、基地交付金の対象となった」と大井通信所の重要性を認めました。

「基地交付金=固定資産税代替措置は当然だが、危険な基地はそもそもいらない」というのが地元市議団の気持ちです。

 

家の中まで、監視するのか?住民からの相談窓口もなし

伊藤はつみ県議は、

「基地のすぐそばに住んでいて、今日も見てきました。たくさんのカメラ・マイクがあり、中にはいつでも住宅地に向いているものもある。24時間365日住宅地を監視しているのか?住宅地のどのくらいまでがうつされているのか?家の中まで見えるのか?常に記録されていることを住民は不安に思っています」と質問

防衛省の方は「こういう状況初めて知った」と答えました。

電波障害など、住民の声を聴く相談窓口はあるのかという質問に防衛省担当者は「特にない」という答えでした。

床井市議は

「情報本部大井通信所の支所を航空自衛隊入間基地内に作ったというのは驚いた。どういう経緯なのか?」質問

防衛省は「令和2年度に作ったが、情報連携強化が必要だということ。入間にというのは内部的議論があった」と答えました。

塩川議員は「空自の電波情報収集機RC-2の機上で、電波情報の分析をする要員が配置されている。陸海空自衛隊の連携強化が進んでいる」と語りました。