老朽化の県営住宅、点検にきて!住民たちが県に要請行動

10月県営月吉団地のみなさんが、埼玉県住宅課に申し入れを行い、私、守屋ひろ子と川口知子市議が同席しました。党川越西後援会は、同団地の151軒にアンケートを実施。23件の回答が寄せられました。その内容を要望書にまとめ、提出。住民の皆さんが現状を語りました。

「築33年のため外壁がはがれてきている。膨れ上がっている部分、ぼろぼろで崩れそうな部分もある。本当に汚い」

県担当者は「外壁塗装は20年に1回。数年に1回点検をして安全性を重視して優先的に補修をしている」

守屋ひろ子は「ぜひ、月吉団地の点検にきてほしい」と要請しました。

そのほか、10年の期限付きで退去となる制度について、「高齢者・障害者・子どもがいる」などの場合延長できる仕組みをもっと周知してほしいという声もありました。

提出した要望書は以下の通り

県営団地に関する要望書

埼玉県知事 大野 元裕 様

2022年10月28日

                        日本共産党川越西後援会

                              長谷川 至

                              井山 幸之 

    川越市議会議員川口知子

 県民の安全・安心の生活のために、ご尽力いただき感謝申し上げます。

 公営住宅は、憲法の生存権保障の趣旨にのっとり公営住宅法に定められ、国と地方公共団体が協力して、住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で供給するために整備されてきました。

 この度、月吉県営団地の151件の皆さんに対し「住環境や県営団地削減方針に対するアンケート」を配布したところ、23件の回答が寄せられました。回答以外にも別紙に、実際に困っていることや要望などが書かれており、今回、公営住宅を求める市民の声とともに、以下11項目の要望書にまとめました。早急に検討し、対応をお願いいたします。

1、高齢者専用住宅について

 高齢者専用住宅は、築25年未満の団地で、高齢者や障がい者がいる世帯を対象とした住宅で、建築後の年数に関係なくエレベーターのない1階部分の住宅(特定用途住宅を除く)です。しかし、居住スペースは段差だらけで高齢者の方が何度もつまづき、怪我をするケースがあるといいます。近年は入居者のうち60歳以上の高齢者が占める割合が増加傾向です。高齢者が安心して平穏に生活できるよう高齢者専用住宅については、住居スペースの段差を解消しバリアフリーとなるよう改修していただきたい。

2、老朽化について

①月吉団地の建物は古いもので築40年が経過しており、窓枠サッシ、網戸がきちんと閉まらない住宅があります。防犯やセキュリティーの問題もありまずは、1件ずつ調査を実施し補修をしていただきたい。 ②老朽化した団地は、長寿命化計画を策定し、計画的な改修を行い、50年から65 年で適切に更新していただきたい。

③トイレや洗面台、キッチンのシンク、浴室などが旧式のもで、低くて狭く使いにくいと切実な声が寄せられています。例えば、築30年以上の使用している設備や不具合のあるサッシや建具、床については、空き家となった際に改修してから貸し出すようにしていただきたい。

良好な状態で住宅を貸し出しすることで、クレーム対応が減り、その後の人件費や維持・管理コストを適正に保つことができます。

3、住環境について

①上層階に住んでいる外国人がベランダからゴミを捨てたり、唾を吐いたり、汚い水を流したり、夜中から早朝にかけての騒音に悩まされ、苦情を訴える方が少なからずいます。外国人入居者とのトラブルが増えていることから、外国人向けに母国語に訳した「迷惑行為の禁止などのルールブック」を作成し、丁寧に説明していただきたい。

②外国人の入居割合が高くなっている団地に対しては、言葉が通じないため自治会活動が負担になっています。健全な地域コミュニティーの形成のため県として何らかの対策を検討していただきたい。(例:外国人の入居割合に上限を設けることや団地内での外国人代表を設ける、外国人棟としてまとめることで外国管理人を置くなどです)

③草刈りの協力が得られるよう、管理会社として働きかけていただきたい。

4、入居の基準や募集について

①コロナ禍により仕事が不安定になり、ウクライナ危機や円安の影響を受け市民の暮らしは大変です。平成21年4月1日から収入基準が引き下げられましたが、公営住宅に申し込みしようとしてもコロナ禍での国からの支援を受けた場合は所得と算定されてしまい申込できません。また、これまで入居していた方は、継続して住み続けることも困難になってしまいます。収入基準を前の基準に引き上げるよう国に要請していただきたい。また、コロナ禍での国からの支援金の取り扱いについては、考慮する規定を設けていただきたい。 ②県営住宅の10年期限付きの契約を改正していただきたい。子どもが幼少期に入居した場合に、ちょうど食費や教育費にお金のかかる中学生や高校生で引越しを迫られることになります。高齢者世帯でも65歳で定年し入居した場合、足腰が弱ってくる75歳で退去しなければならず、引越し費用とともに身体的にも苦痛を伴い、これまでのコミュニティーを破壊する行為で非人権的な取り扱いと受け止めています。

③入居募集に際して、辞退者を少なくするためにも、事前に住環境を調べられるようにすべきです。具体的には、団地の号棟、平面図面、部屋・設備等のバリアフリーになっているか、手すり等は設置されているのかなどの内観の情報を公開した上で、申込みできるようにしていただきたい。

5、県営団地の縮小方針について

 埼玉県は今年2月に県営団地管理戸数を縮小する方針ですが、アンケートでは外国人が多く住む結果となっている団地なら縮小すべきという意見が1件ありましたが、有効回答うち64%の方が縮小してほしくないとしています。民間の賃貸住宅でも安く入居できるものもありますが、駅から遠くバスもない交通不便地域であったり、老朽化した建物で排水管の詰まりなど住宅トラブルも絶えません。

 現在、コロナ禍で物価高騰を受け特に低所得者の負担感が増している時だからこそ、公営住宅を求める市民は多くいます。地域によっては申込みの多い団地と少ない団地がありますが、県営団地の縮小は、時期尚早ではないかと考えます。障害者や高齢者のためのグループホームへの貸し出しは需要があるので、公共財を積極的に利活用し、県民の生活をサポートしていただきたい。

以上