マイナンバーカードの保険証代わりを可能にするシステム導入義務化で廃業する医療機関が

マイナンバーカードの保険証利用が可能となり、医療機関等は来年4月にはマイナンバーカードを読み込んで本人確認等を行う、システムを必ず設置しないといけないとなりました。

そうしたことを受け、埼玉県保険医協会は会員への緊急アンケートを行い、その結果を10月6日記者会見で公表し、その後県議団と懇談しました。

村岡正嗣県議、前原かづえ県議が参加しました。

保険医協会は埼玉県内の開業している医師、歯科医師で構成され、現在4300人が会員となっています。

緊急アンケートは医師、歯科医師あわせて511人の回答がありました。

4月からの義務化について「4月だと性急すぎるので反対」は医師で25%、歯科医師で28%、「任意でよいので義務化に反対」は62%、歯科医師は60%となっており、2つあわせると医師では87%、歯科医師は88%と9割が4月からの義務化に反対しています。

【アンケートに寄せられた声(抜粋)】

●高齢のため新しいシステムへの対応が難しく廃業に向かうしか道はありません。

●弱い医療機関を廃業に追い込まないでください。

●当院のような小規模診療所では、システムの維持、管理費の負担があまりにも大きく、経営を圧迫します。「義務化」により、システムを導入して経営難になり、廃業に追い込まれるのでないかと懸念しています。

●セキュリティの問題から導入できないため、義務化された場合閉院します。患者さんにもアナウンス済みです。かなり怒っている方がおられる現状です。

アンケートの声から廃業を考えている医療機関があることがうかがえます。

埼玉県は人口10万人当たりの医師数が日本一少ない県となっており、廃業に追い込まれる医療機関がでることは由々しき事態です。

保険医協会理事長は「国は『システム導入できない医療機関は指導の対象であり、指導に従わない場合は保険医療機関としての指定を取り消す』と言っています。医療機関にとって、指導されること自体が脅しであり、まして保険医療機関としての指定を取り消されたら、廃業です。マイナンバーカードが思ったように普及しないことから、閣議決定で4月からの資格確認システムの導入義務化を決めました。大事なことを閣議決定で決め、疑問や不安があるにも関わらず、強引に進めていく。さらに医療機関を脅して強固に進めるなど許されません。埼玉県としても廃業に追い込まれる医療機関が生まれれば、医療体制がさらに厳しい状況になります。ぜひご一緒に声を上げていただきたい」と話されました。

村岡県議は「この問題は本当に大きな問題です。ともに頑張りましょう」と答えました。