9月14日、埼玉県平和委員会が埼玉県と懇談しました。柳下礼子団長が同席しました。
初に、埼玉県基地対策協議会の事務局である企画財政部企画総務課より、「令和5年度基地対策に関する要望書」の説明が行われました。
県基地対協は埼玉県と狭山市や朝霞市など基地所在地の14市町で構成されています。毎年要望書を国に提出しており、新規に盛り込まれた項目の説明がありました。
1,国が買い入れた土地の無償使用を求める
移転補償で国が買い入れた土地が市街地に点在しており、まちの空洞化を引き起こす恐れがあることから、国有地利用を促進するため、道路や自治会館用地など土地の無償使用にっかる施設の範囲をかくだいするとともに、周辺住民や自治会の希望に沿った弾力的かつ柔軟な対応をとること
これは狭山市の中心地に高地が点在し、雑草が生い茂っていることから、有効な利用法を求めたものです。
2,米軍と航空自衛隊入間基地の連続離着陸飛行訓練の極力制限を
令和3年度の入間基地の年間の管制回数は25020回、1日平均約69回であり、米軍横田基地も多数の離着陸回数を観測している。連続離着陸飛行訓練を極力制限するとともに、特に早朝、夜間等、飛行自粛時間帯の飛行訓練を中止すること。
この点では、職員に対して「騒音の現地確認はしているのか」「狭山市役所の基地対策協議会の部屋から、基地の実態をみてほしい」という声もありました。
3,入間基地で行われる航空祭等
イベントでは、例年多くの来場者が訪れることから、周辺道路が混雑し、地域住民の日常生活に大きな影響をあたえているため、地元警察署と連携を図り、イベント当日及び事前飛行訓練日等には、交通整理員や交通規制、駐車場の確保等の渋滞緩和対策を講じるとともに、来場者の安全を確保する一層の対策を実施すること。
4、入間基地の自衛隊病院について
令和3年度に整備完了した災害拠点施設、自衛隊入間基地の運用について、引き続き必要な情報提供を行うとともに、入間基地病院グラウンドの運用については、地元自治体や地域住民の意向を踏まえ、可能な限り有効活用できるよう配慮すること。
担当者によると、自衛隊病院は今年7月1日より2次救急の受け入れを開始している。10時から16時30分まで 夜間は受け入れない。実績は15県。救急告知病院を目指している。グラウンド使用については入間市と協定を結び4000人利用が可能。狭山市とはまだ話あっていないとのこと。
5,航空機の安全飛行の徹底 とくにCVー22MVー22オスプレイの安全飛行について
米軍横田基地では令和2年にCVー22オスプレイの部品遺失、パラシュート備品の落下事故、フィン落下事故が相次いで発生した。この間当協議会では再発防止策の徹底等を要請したが、当時一切の報告がないまま訓練が再開され、落下事故が相次いだところである。・・・航空機による落下事故は甚大な被害をもたらすおそれが大きいことから、部品落下事故を含むいかなる航空機事故の発生も防止するため、航空機の整備実施体制の拡充や、配備後相当の年数を経過した航空機に対する特別な整備を実施するなど、非行前の整備点検を充実強化すること。
あわせて、部品の大小にかかわらず、万が一部品落下事故等が発生した場合は、基地所在地のみならず、飛行ルート等に関係する市町、住民へ適切かつ迅速な情報提供を行うこと。
平和委員会からは、空軍のCV22オスプレイの不具合から、全機飛行訓練停止となっていたにもかかわらず、米軍は9月3日から飛行訓練を再開しました。不具合の原因が特定されたわけではありません。また海軍のMV22の方は、そもそも対象外だったとして、オスプレイの飛行停止を求める意見が出されました。
6,入間基地ブルーインパルスカラースモーク事件
令和3年8月に航空自衛隊入間基地ブルーインパルスが不適切な高度でカラースモークを使用し、基地周辺の車両約1180台に塗料が付着する事案が発生した。事実関係を関係自治体に説明すること。再発防止策を講じるとともに航空機の適切な運用を徹底すること。入間基地をとりまく市街地の現状を考慮し、航空祭等における飛行展示や曲芸飛行については、最小限にとどめ、重大事故につながる市街地上空での低空飛行展示は行わないなど、航空機の適正な運用と安全飛行を徹底すること
7,オスプレイの本県離着陸
平成30年7月米軍横田基地のCVー22オスプレイが地元自治体に一切説明のないまま本県に飛来し、日米合同委員会で避けることが原則となっている学校や病院、人口密集地の上空での低空飛行訓練や離着陸訓練が行われた。また、令和3年には山形、仙台、および館山において、整備上の問題等の可能性が飛行中に発見された。同機の飛行中トラブルは飛行経路の周辺住民に大きな不安を与えることから、航空機の点検整備を強化・徹底するとともに、トラブルの可能性がある場合には迅速に予防着陸するなどの回避措置を取り、安全飛行を徹底すること。並びに飛行時間帯、飛行高度、飛行経路及び訓練を行う場所などについて、日米合同委員会合意を順守するよう米側に申し入れること。
8,日米地位協定の施設・区域の提供等にあたっての情報提供
飛行訓練などの演習・訓練については、原則日米地位協定第2条に基づき提供される施設・区域内において実施することとし、やむをえず実施される提供施設・区域外における演習・訓練については、必要最小限とし、事前に安全措置等について日本政府と協議する旨を明記すること。
今年3月に沖縄県名護市でヘリの吊り下げ訓練が行われた、3月29日林芳正外務大臣が「実弾射撃等を伴わない米軍機による各種訓練については、提供施設・区域外で行うことは認められている」などとそれを認めるような発言をしたことから、新規に要望することとした。
所沢の会員からは、所沢市内の米軍通信基地に、頻繁に米軍ヘリが飛来して、吊り下げ訓練をしている。昨夜(9月13日)にも行われ、爆音だった。という発言もありました。騒音について、今も定点測定をしているが、所沢市については、測定カ所をふやしてほしい、という声もありました。
毎年、国への要望書の説明、懇談が行われています。要望書には一歩一歩前進が見られ、市民の意見を取り入れる方向が強まっていることは、評価できます。今年はブルーインパルス問題など、柳下礼子県議の一般質問も取り入れられていました。