民主団体と来年度の予算要望にむけての懇談を行い、午後からは保険医協会、埼玉民主医療機関連合会、埼玉県医療労働組合連合会が参加し、伊藤岳参議院議員、村岡正嗣県議会議員がお話を聞きました。
村岡県議は「コロナ感染拡大を受け、できる限り医療機関に足を運び、実態を聞き、不十分な部分もあったと思いますが、県にも届けてきました。現場の生の声が大事だと思っています。今日はぜひみなさんの生の声をお聞かせください」とあいさつしました。
保険医協会は「来年4月からオンライン資格確認等システム義務化されます。これはマイナンバーカードに保険証機能をつけるというで、医療機関にカードの読み取り機器を置いて、保険資格の確認や顔認証ができるようにするというものです。できなければ指導の対象となるし、場合によっては保険診療の指定を取り消すとの話が出ています。しかし現在対できるようにした医療機関は19.6%、歯科では15.3%に過ぎません。医療機関への無理な押し付けはやめてほしい。指導の対象、保険診療の指定の取り消しなど、医療機関にとっては死刑宣告と同じです」と話しました。
民医連は「第7波で職員が陽性になったり、家族が陽性で濃厚接触者になったりで出勤できない職員が増え、やむなく診療を縮小。それが減収になってしまっています。さらに検査をおこなった際の保険診療点数も削減されています。
関連医療機関ではお盆の時期、1日700人の方の検査を行ったそうです。県南部のある医療機関では1日200名。
「朝8時半開始ですが、その前に検査を求めて順番待ちの列ができています。それがどんどん早く並ぶようになって、6時第には並び始めるという事態も生まれました。患者さんの中には『抗原検査キットで陽性となり、医療機関にかかろうと様々なところに電話したが断られ、もう2日~3日たつ』と話す方もいました。感染拡大が落ち着いているときに政府は何をしていたのか。なぜ対策をとってこなかったのか。全くの無策。とにかく、現場の声を聞いてほしい」と訴えました。
医労連は「ケア労働者への処遇改善補助金について、政府が出してくれたことはよかったけれど、すべての看護師が対象となったわけではない。診療所や訪問看護ステーションに勤務する看護師は対象とはならなくて、ただでさえ、訪問看護ステーションは夜勤がないぶん、給料が安くなり、配置転換をいやがる傾向があるのに、これではさらにそうなってしまう。格差と分断を生んでいる。県として支援をしていただきたい。また10月からは『診療報酬、介護報酬に加算金を乗せる』と厚労省はしているが、それだと患者負担が増えてしまう」と話しました。
「うちはコロナ感染拡大がはじまって6000万を借りました。返済猶予が3年あって、その返済が今年秋から始まります。返済猶予の延長をしてほしい」
「うちは経常では黒字になっていません。補助金等をもらってなんとか黒字。返済となると別のところからまたお金を借りないといけない」
医療機関はお店とは違って価格を勝手に釣り上げるということはできないし、してはいけない。多くの医療機関がなんらかの借り入れはしていると思います。その返済が始まってくると、立ち行かない医療機関がどんどんでてくる。そうした医療機関への支援が必要です。また電気料金の値上げが経営をさらに圧迫させています。医療機関は節電できません。ここへの支援もぜひお願いしたい」と出されました。
医療機関の検査体制がひっ迫しています。医療機関としては症状がある人の検査を早く行うことが大事だと思っています。症状がある人が医療機関にスムーズにかかれるよう、症状がなくて検査を受けたい人と症状がある人をしっかりわけてほしい。県がしっかりそう誘導してほしい
全数把握の見直しを政府がいっています。重症化リスクのある人のみ把握していくとのことですが、かかりつけでもない初めて来た患者さんをただちに重症化リスクの判断をせよというのは無理があります。かかりつけ医がない人は公的なところが検査を行い、そちらにかかるようにしてほしい
と出されました。