ひきこもりの方を支援し、就職につなげる—ライフ・ワークを訪問

前原かづえ県議は8月24日、ふじみ野市にある就労移行支援事業所「ライフ・ワーク」を訪れました。

就労移行支援とは一般企業への就職に向けて、職業能力やコミュニケーション能力の向上のための訓練と支援を行います。利用できるのは一般企業などへの就職を希望する方で、65歳未満の方、障がい者手帳をお持ちの方、自立支援医療(精神医療を継続的に受診)対象の方です。通所するのは原則2年(1年延長が可能)。福祉作業所などでは工賃をもらうことができますが、就労移行事業では収入を得ることはありません。

就労移行支援事業所ライフ・ワークではひきこもり”の方の相談に乗り、働くために必要な能力やマナー、知識向上の訓練を行い、就職につなげる支援を行っています。職業紹介や場合によっては面接同行なども行い、就職後も仕事が続けられるよう支援もしています。

この日はパソコン入力や入力したテキストの修正、仕分け、部品の組み立てなどそれぞれが割り当てられた作業を行っていました。

1人ひとりが行っている作業の中身について説明を聞いた後、施設長と懇談しました。

 

施設長は「『はい、いいえをくびを振ってこたえて』と言っても『自分の気持ちを紙に書いてみて』と言ってもできなかった場面緘黙の方が、ある日『料理したことある?やってみたら?』という職員の声かけで、毎日弁当をつくるようになり、料理にはまり、『調理する仕事に就きたい』言い、あちこちに電話をかけたりして探しまわりました。やっと高齢者施設が面談してくれることになり、同行して面接を受けました。それでも場面緘黙なので、私がすべて質問には答え、ダメかなと思っていましたが、『一度現場に来てみてください』と。すると仕事が丁寧と現場の方たちに気に入られ就職が決まりました。また遅刻の常習犯だった方が大学病院に就職したというケースもあります。

現在障がい者手帳をもっていなくても、ひきこもりで悩んでいる人はぜひ相談に来て

ひきこもりと一言で言っても様々な方がいます。自分の部屋から一歩も出られないという方もいれば、外に出られるという方もいます。病気も統合失調症からうつ病、不安障がい、病名がつかないと言われたという方もいます。ここに通える対象として障がい者手帳とありますが、なくても大丈夫です。まだ病院に行ってない、病名がついてないという方も、仕事につきたいと思っておられるなら、ぜひ相談に来てほしい。医療機関も紹介します。

ひきこもりの方、その家族の方の多くはどこに相談したらいいかわからないのが現状です。ここに来る方に『これまでどこかに相談したことはありますか』と聞くと、『実は市役所に相談した』という方もいました。しかし『ご本人を連れてきてください』と言われただけ。何にもつながらなかったとのことでした。

いま通ってらっしゃる方は自分でネット検索したという方や医療機関に置いてあったパンフを見て、他の人に教えてもらった、ポストに入っていたのを見てという方たちです。

ひきこもりは推定100万人以上。家族もご本人も悩んでいる人がたくさんいます。しかし、相談先がわからないというのが現状です。ぜひたくさんの人に知ってもらいたい」と話していました。