「早期発見・早期対応が大事」難聴が疑われるお子さんを支援するそうか光生園

5月23日、聞こえに心配があるお子さんに関する相談や聴能訓練を実施しているそうか光生園を前原かづえ県議、秋山もえ県議が訪れ、お話をお聞きしました。

そうか光生園は1988年にでき、2006年に埼玉県社会福祉事業団に移管されました。

そうか光生園は聴能訓練事業のほかに入所施設やデイサービス、障害者歯科診療、相談支援事業などを行っています。

 

【聴覚障害支援中核機能モデル事業とは】

聴覚障害児は早期発見早期対応が大切だが、医療・福祉・教育の連携がなかなか取れず、文科省と厚労省が一緒になって難聴児支援の連携プロジェクトを立ち上げ、国会で議連ができたこともあり、2020年度聴覚障害児支援中核機能モデル事業がスタートし、そうか光生園がモデル事業として受託しました。

医療機関で検査を受けて結果待ち。確定診断が出ていない時期の親御さんはどこに相談に行ったらいいのかと不安な気持ちでいます。そうした保護者の不安を受けとめたり、確定診断がされたお子さんの聴能訓練などを行っています。

そうか光生園への2021年度の相談件数は182件でした。

連携を図るために当事者会、家族会、医師、ろう学校などとともに協議会をつくり、運営を進めている。

また連携をさらに強めるために実務者会議を適宜開催している。

事業をまず知ってもらわなければと「お子さまの聞こえが心配になったら」というリーフレットを作成し、配布している最中とのことでした。

 

【集団訓練を窓越しに見学】

訪れたこの日は集団訓練が行われており、隣の部屋から見させてもらいました。

保護者の方と一緒に音楽にのせて体を動かすリズム体操のようなことをされていました。そうか光生園では集団訓練と個別訓練が行われており、言語聴覚士の方は「こうした訓練を重ねていくと脳の回路ができあがっていくので、できれば毎週来てほしいです。しかし保護者の方の仕事の都合もあるし、またこちら側の事情ですが登録者も多く毎週来ていただくことは難しいので、隔週で予定組んでもらったりしています」と話されていました。

 

【乳幼児の聴力検査は工夫がいっぱい】

そうか光生園ではお子さんの聴力検査も行っています。言葉が理解できていない乳幼児の聴力を様々な工夫で測っていました。

音がなっているときにボタンを押すと機関車トーマスの画像が流れます。音が流れていないときにいくらボタンを押してもテレビは暗いままです。子どもたちはトーマス見たさにボタンを押そうとなるとのことでした。

0歳はボタンを押すことはできないので、スピーカーから音を出してそちらを見るとかわいいぬいぐるみが見えるというようにして測っているそうです。(お子さんの気分に左右される部分もあるので、もちろん正確な測定は医療機関が行います)

そうか光生園では言語聴覚士の資格ももつ方が相談や訓練を行っていました。
就学前の小さなお子さんなので、非常に専門性が求められると感じました。

現在埼玉県にはこうした聴覚障害児支援を行っている療育機関は深谷、ふじみ野、さいたま市(さいたま市在住者対象)の4つしかありません。

1カ月に2回、通うにはあまりも遠いということもあるのではないか。もっと増やす必要を感じました。