3月8日党県議団は、埼玉県に対して国民健康保険税水準統一撤回を求めて申し入れを行いました。
党県議団は、2月12日にオンラインによる「国保問題学習交流会」を開き、市町村議員、埼玉県商工団体連合会や県社会保障推進協議会など55名・団体が意見交換を行いました。この交流会の総意として、県に対する要望書をまとめ、この度県に提出したものです。
4年間で法定外繰り入れ2割程度に
埼玉県は昨年度策定した第2期県国民健康保険運営方針で、全県の国保税水準統一を打ち出し、そのために2026年までに市町村が独自に行っている一般会計からの繰り入れをすべてなくすとしています。
この間、納付金の引き上げも連続しており、今年度9市町村が主に増額となる税率改定を行い、37市町村が賦課限度額を引き上げています。
市町村合計の法定外繰り入れは2016年度339億円余りから2020年度には67億円余りに激減しています。国が求める「解消すべき赤字」を大きく踏み越え、法定外繰り入れそのものの解消を求める埼玉県の姿勢は、全国でも突出したものです。
国保は社会保障制度の一環
コロナ禍で格差・貧困が広がる中で、「国保税が高すぎる」という被保険者の声が一層切実になっています。国保法第1条にあるように、国保は社会保障制度の一環です。今こそ、国・県・市町村は一体となって国保を支え、保険税の引き上げをストップさせるべきです。しかし県が進めている統一と法定外繰り入れ解消は、保険税を引き上げ、市町村の独自の減免制度を廃止に誘導し、被保険者の願いに逆行するものです。
要望書は、①国保税水準の統一は撤回すること。当面、令和8年度までとした収納率格差以外のすべてを統一する「準統一」の期限を延期すること。②法定外繰り入れの解消を市町村に押し付けないこと。③県独自の保険税減免制度を実施すること。とりわけ、子どもの均等割りを廃止すること。④画一的な徴税ではなく、納税猶予制度を周知徹底し、減免制度を適切に運用する徴税方針を、市町村に指導すること。資格証・短期証は発行しないよう指導すること。以上4点を求めています。
「保険税水準統一は市町村会の要望」(副部長)
対応した小松原誠保健医療副部長は、①の保険税水準の統一について、「市町村会の強い要望」として進めていく。②の法定外繰り入れ解消については「国保特別会計の安定のために必要。国のいう『解消すべき赤字』を優先的に解消していく(最終的にはすべての繰り入れを解消する)」と回答。これに対して、県議団から「市町村からは繰り入れなくしてほしいという声がたくさん出ていると思うが、これで困るのは住民。住民の声と市町村の声が違うという認識をもってほしい」「国保新聞をみても、繰り入れ解消は東京都埼玉県が抜きんでて進んでいると書いてある」「国保学習交流会を行ったが、その中で出たある自治体の職員の声『一番優先しなければならないのは、市民の健康と安心だ』これが大切」と意見がありました。
子どもの均等割り減免の改善、国に働きかける
③の県としての減免制度については「統一に向けて議論していきたい」特に「国の子どもの均等割り減免は対象年齢が未就学児までであることや国の負担が半分に過ぎないことなど問題があり、全国知事会などを通して要望していく」との回答。④については納税猶予制度や、資格証・短期証などについて市町村への研修などすすめるとしつつ、「税負担の公平性」のためにこれからも滞納解決をすすめると答えました。
申し入れ文は以下