自動車が時速30キロを下回ると、交通事故被害の重症者や死亡者が急激に減少します。
ゾーン30という言葉は知っていますか?
地域を面的に指定して、自動車速度規制を時速30キロとすることです。
2月4日、村岡正嗣県議と秋山文和県議は、
ゾーン30の地域に、さらにハンプやスムーズ横断歩道を導入して
物理的に速度が出せないようにしている朝霞市東弁財地区を視察しました。
都市建設部長笠間三生さん、次長兼まちづくり課長宇野康幸さん、同じく次長兼開発建築課長村沢敏美さん
他、職員の皆さんが応対、説明、ご案内をいただきました。ありがとうございます。
山口公悦党朝霞市議がコーディネートしてくださいました。
スムース横断歩道というのは、横断歩道を5%約10センチほど盛り上げて、
自動車が減速するように作ります。
非常に、目立つ塗装もします。
10センチほど高くなるので、横断歩道を歩く児童の背が高くなり
自動車からよく見えるようになります。
これは、交差点ハンプといいます。
交差点の真ん中をやはり10センチほど盛り上げてあります。
写真ではみえませんが、点灯式信号機があり、
ハンプと合わせ技で、自動車がきちんと減速、停止をしていました。
朝霞市の西側、新座市、志木市に近接し、
JR武蔵野線北朝霞駅、東武東上線朝霞台駅に接している区域であり、
立地の良さから、人口密度が高く市全体の21%を占め、賑わいのある東弁財地区
区画整理が終了し、道路幅員も大きく、直線的な道路が多く、
抜け道として使われやすい状況で
県内でも死傷事故の多い地域として、ゾーン30に指定されていました。
小学校があり、多くが通学路とされていました。
こうした状況から、ゾーン30に加えて、「安全対策エリア」を設定しました。
平成31年から町内会・PTAなど地域住民6名に加え、大宮国道事務所や朝霞警察・行政・教育委員会・学校長学識経験者らでワークショップをひらき、地域の危険個所を洗い出しました。
同時に、ETC2.0を大宮国道事務所から提供してもらい
急ブレーキ・急発進ポイント・速度超過区域・過去の事故発生個所、車両の流出入状況など
客観的なデータに基づき東弁財地域の課題認識を深めていきました。
こうした課題認識に基づき、どのような対策が必要であるか協議を進めていきました。
その結果3か所の交差点ハンプ、5か所のスムース横断歩道、中央線抹消道路、
狭窄、歩道の補修やグリーンベルト設置が決まりました。
住民参加のワークショップの結果、
ハンプを越える車の音がうるさいなどの苦情が非常に少なかったそうです。
ハンプは1か所500万円です。
令和2年度に国土交通省の生活道路安全対策事業で55%を補助してもらい、工事は完了したそうです。
小さな道路補修も一緒にできて、よかったとのこと。
この事業は埼玉大学の交通・計画研究所久保田尚教授と小嶋文准教授の協力によって実現しました。
同研究所は工事完了後の検証調査を行っています。
その中でスムース横断歩道の自動車通過速度調査では
平均時速で31.8キロから24.4キロに落ちたという報告です。
また歩行者への譲り行動は、スムース横断歩道設置前
14.0%が42.3%に増加したとのこと。
非常に有効であるという印象です。
村岡県議は、
「よかれと思って設置した安全施設が住民から不評な場合もある。
住民の意見をよくきき、科学的データに基づく対策を練り上げたことがよかった」と
感想を述べました。