党県議団は川口市にある埼玉協同病院で、新型コロナ感染症対策について、懇談をしました。
病院側からは
増田剛院長・守谷救急科長・増永哲士事務長
共産党側から
柳下礼子団長・村岡正嗣幹事長・秋山文和県議・前原かづえ県議 事務局長馬場
大橋党埼玉県委員会自治体部長
岡田塩川衆議院議員秘書 川嶋伊藤参議院議員秘書
赤旗記者 が、出席しました。
コロナ禍で、自宅死亡者を出したことへの反省が必要
初めに増田院長から
*新型コロナウイルス対策の政府方針が「中等症以下は原則自宅療養」と一方的にかわった。これによって、国民皆保険が実現して、これだけ医療資源のある国で、治療を受けられずに死ぬ人が多数生まれた。
このことの反省が絶対に求められる。
*選挙中に市民と野党の共通政策 公衆衛生の充実 ぜひこの方向ですすんでほしい。
*強権発動で、ベッドの役割分担するようなやり方は困る
*今回、感染症対策について、保健所では対策不可能だと、方向転換がされた。保健所主義から脱皮してしまった。
これでは、第6波や新たな感染症に直面しても、かわらない。
などの発言がありました。
感染症にそなえるには、日ごろから医療現場に余裕が必要
また守谷救急科長から
*第5波では発熱外来で8月1か月で1000件もの検査を行い、その半分ぐらいから陽性がでてしまった。
*この8月、半分ぐらい救急車を断らざるをえなかった。
このような事態に備えて、現場には余裕がなければならない。
村岡県議が、「保健所機能が停止する中で現場にどのような影響があったのか?」と問いかけ。
増田院長は「毎日陽性者が40人以上でて、陽性者にはその日のうちに保健所から連絡がいくことになっているが
保健所がひっ迫してそれができなくなると、それは医療機関の役割となる。しかし、医療機関もぎりぎりの中、普段の仕事の上にコロナ対策もしなければならない。」
医療機関は大赤字 コロナ補助だのみ
また、経営上どうのような影響があったのかという問いに
院長は「2020年3月ごろから本格的にコロナが広がってきた。5月6月には収益はマイナス10~20%となってしまった。病院の医療収益は、常に頑張っても1%から2%程度しか上がらない。年度の最初の2か月でこれだけの赤字となっては取り返せない」
協同病院のような規模で、コロナ病床などをもつ医療機関では
コロナ禍の最初の半年で、数億の赤字を抱え、その後コロナ対策への補助で数億の黒字に逆転する
このような状況です。
しかし、普通の仕事に感染症対策とワクチン接種に多数の人をさかれる状況です。
保健所だけではなく、県庁全体の態勢強化が必要
増田院長は
「この国は、国民がソーシャルディスタンスを守るなどリテラシーと、少しの医療スタッフで持たそうとしている。いったん、まん延がおさまってしまえば、忘れてしまう。反省できない。韓国がMARSにやられて、検査体制を強化したようにできない。 また同じことを繰り返すのか」と厳しく批判
保健所については
「保健所がひっ迫した時に、応援の職員が投入されたが、その職員がしていた仕事ができなくなる。すべての分野でぎりぎりでは、急場もしのげない」と語りました。
公的な医師・看護師養成が必要
増永事務長は「12月でコロナ補助がなくなるが、病院の収支がこれだけ崩れていて、どうするのか?もう終わったとされては困る。」また「WAM(保健医療福祉機構)からの借り入れの返済がそろそろ始まる。開業時に借りたものが返済困難でクリニックを閉鎖するなどの動きが出ないか心配。
医師不足を何とかしてほしい。埼玉県は2040年になっても医療資源が足りないと言われている県。公的に医師看護師をふやさなければならない。県立大学に医学部がほしい」と語っていました。
公立病院が少なすぎる県
また、増田院長は
「医師会で集まると、よく出る意見が『これは、もう、民間にできる仕事ではないよ』ということ。帰国者・接触者外来などは、公立病院がすること。
埼玉県には公立病院が少なすぎる。」
「民間医療機関の声を反映する仕組みをつくってほしい。川口市には市長と基幹病院の院長の懇談の場などがある。県知事もぜひやった方がいい」と語りました。
そのほか外国人の無保険問題も要望されました。