災害時にひとりで避難できない災害弱者をどう避難させるのか。大きな課題となっています。11月9日、避難行動要支援者名簿を作成し、昨年の台風19号のときには、全員に電話などで安否確認を行った三橋四丁目自治会を村岡県議と久保さいたま市議が訪問し、会長、副会長、総務部長、総務部でさいたま市防災アドバイザーの方からお話を伺いました。
2011年の東日本大震災で被災地全体の死亡者数のうち65歳以上の高齢者の死者は約6割。障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍を上回ったことから、2013年「災害対策基本法」の改正が行われました。
さいたま市でも要支援者の名簿を自治会に渡し、個別避難計画の策定などを依頼。毎年自治会へのアンケートで進捗状況を確認するという取り組みが行われています。
三橋四丁目自治会はさいたま市から避難時に支援を必要とする方の名簿が来ると、自治会役員と民生委員が一緒に訪問します。自治会役員だけでは門前払いでも民生委員が一緒であれば、話を聞けます。そのとき、「いざというとき近所の誰に助けてもらいたいか」などを聞き、民生委員5人と自治会役員23名中手をあげてくれた18名で分担します。その分担と近所の見守り者を見守り支援者連絡カードに記入し、電話のところに貼っておいてもらいます。情報は共有をします。
かかりつけ医や障害の状況、避難時に配慮が必要なことなどを書き込んだ避難行動要支援者個別プランカードも作成します。自治会の担当者は担当している支援者を時々訪問したり電話したりして状況を確認します。1年に一回自治会がそのカードを回収し、確認を行います。
災害が起きればまずは公民館。公民館から避難所、要支援者の方は場合によっては福祉避難所となるのが通常ですが、三橋四丁目自治会では要支援者の方の状況によってはそうしている間に命が失われてしまうと、直で福祉施設に運ぶことが必要と考え、地域の福祉施設と協定を結びました。
同時に、その福祉施設も低い土地にあるので、何かあれば自治会が協力するということになっているそうです。また、近隣のクリニック、ガソリンスタンドとも話をし、災害時は協力してくれることになっているそうです。
災害時にどう住民の命を守るのか。実践的で先進的な取り組みが行われていると感じました。