他の障害と格差のない、医療費助成制度を――精神障害者家族会連合会が県と懇談

9月2日精神障害者家族会連合会の方々が県庁を訪れ、「令和3年度埼玉県の施策並びに予算編成に対する要望書」への回答と懇談が行われ、柳下県議、前原県議が同席しました。

要望書は大きく「重度心身障害者医療費助成制度対象を精神障害者保健福祉手帳2級まで拡大を」「新型コロナウィルス感染に関する医療体制の充実を」「メンタルヘルスに関する教育の実施を」「アウトリーチ事業の充実・推進を」「『精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム』構築の積極的推進を」という5点を求めています。

「医療費助成制度の精神障害者保健福祉手帳2級に拡大を」という要望では、県は「毎年17億円が必要。お金が厳しいのと、実際の実施自治体は市町村となり、県から2分の1支援するという形になる。市町村の意向もある」と答えました。

家族会連合会の方からは「精神疾患を抱えている人は歯を失っている人が多い。ひきこもりなどで歯科治療に通えないということもあるが、精神疾患の治療に費用がかかり、歯科治療まで出せない保護者もいる」「お金がないというが、県の年間予算は2兆円。その中の17億円が出せないのか」という声があがりました。

「アウトリーチ事業の充実・推進を」という要望に対して、県は2018年から鴻巣保健所管内で、2019年は加須保健所管内で、2020年は東松山保健所管内で、アウトリーチ事業を開始。そして新たに川口保健所管内で川口市以外で、朝霞保健所の管内で6月から行おうと思っていたが、コロナの影響でできていないのが現状。コロナで保健所側が人員を割けなくなっている。部分的にでも行ってみて繰り返し訪問することで、就労につなげたり、病院の不満を聞いて改善につなげたりと効果は実感している。今度順次全県に広げていきたいとは思っている」と答えました。

家族会連合会からは「保健所体制の充実が必要なのではないか」という意見が出されました。