3月10日村岡正嗣県議は、予算特別委員会の場で、障害者団体の強い願いである「障害者の暮らしの場」(入所系施設)整備について、知事に迫りました。
障害者入所施設「必要数を確保する」
はじめに村岡県議は1321人もの待機者のいる障害者入所施設について、保護者の「娘は重度の障害です。大切に育ててきました。私たちが死んでも(安心して)暮らせる施設にいれて、この子が幸せに生きられることだけが、私たちの願いなのです。」という訴えも紹介し、国が入所施設定員を減らすよう埼玉県に求めている問題を批判したうえで、今後も入所施設を整備するよう知事に求めました。上田知事は「障害者が地域で家族と暮らすのは基本だが、それを超えた話がある。埼玉県は重度障害者が増えている県。一律に減らせというのはいけない」として、今後も「(障害者施設の)必要な人数(分)を確保していく」「障害者の状況を的確に把握し、国に理解をもとめる」と答弁しました。
土地が確保できない!県営住宅にグループホームを
一方で、障害者のグループホームについては、県の障害者支援計画には、3年間で877人分整備すると書いてあります。しかし、グループホームは土地確保が困難です。埼玉県営住宅には全県で1566戸空きがあり、UR(《独》都市再生機構)の賃貸住宅は8千戸以上の空き戸数があります。障害者団体からは、これらの団地内でグループホームを作りたいという強い要望がでています。
県営住宅条例は、社会福祉法人による利用や改修を認めています。団地再生事業による建て替えの際の整備も認められています。しかし、これまで、県営住宅やURにはグループホーム整備の実績はありません。
村岡県議は「障害者グループホーム整備のために、県営住宅を活用していただきたい。そのためにも、県営住宅においてモデル事例を実現していただきたい」と求めました。
県営・UR団地へのグループホーム整備はおかしくない
知事は「県営住宅を提供することは難しいことではない。高齢者の施設などをつくったりしている。現在住んでいる住民の御理解をえた上で、(モデル事例については)可能性をしっかり検討する」と答えました。
また、UR賃貸住宅については、やはりグループホームとして貸し出しはおかしくないとして、「URにこの議論を伝え、その可能性を報告する」と答弁しました。
市街化調整区域での障害者施設建設の特例を
村岡県議は市街化調整区域での入所施設建設の要望が強いと指摘。しかし、開発許可について、市の窓口で門前払いとなることもあるとして、県の特段の尽力を求めました。
これに対して、知事は「18年の都市計画法の改正までは、障害者施設は開発許可が不要だった。その後県や市の開発審査会を経て開発許可・不許可を判断している現状」として「今後も社会福祉施設の増加が見込まれております。このため公益性や乱開発防止など、開発審査会に諮る基準をしっかり作っていくべきだと考えております」と答弁