9月8日、秋山文和、村岡正嗣、前原かづえ、守屋ひろ子県議は、埼玉社会保障学校(埼玉県社会保障推進協議会主催)に参加し学びました。
まず、初めに、「社会保障としての国民健康保険をめざして」という表題で
津市立三重短期大学教授 長友薫輝氏が講演をしました。
国保が2018年4月から、都道府県単位化されました。長友氏は、納付金のしくみなどを詳しく解説。大阪府では、全国に先駆けて一元化が推し進められていますが、多くの県で統一は急がないという姿勢だと語りました。
また、厚労省が厚生白書などで「国保は国民皆保険制度の最後の砦」と述べるなど、「皆保険制度」堅持方針であることや、社会保障の効果を認めていること。一方で骨太方針2019で一「保険者努力支援制度」にマイナス評価(収納率などの低い自治体にペナルティを与える)を導入するなど、経済産業省や財務省が国保の負担増圧力を強めていることなど指摘。
都道府県や省庁ごとの方針の差異を明確にして運動することを強調しました。
次に「格差と貧困に立ち向かう実践と今後の課題」として
聖学院大学人間福祉学部客員教授 NPOほっとプラス代表理事の藤田孝典氏が講演しました。
藤田氏は、ホームレス訪問・対話などの実践を語りつつ、社会的提言活動の重要性を強調しました。 特に、ZOZOTOWNの非正規労働者の低賃金について、SNS上で告発し、同社が時給を1300円に引き上げた経験を語り、非正規労働者の処遇の低さと広がりこそが、貧困の広がりの原因だと告発し、運動しています。 また、「下流老人」など著作活動も紹介し、「発信力をつよめよう」と呼びかけました。
続いて「新しい階級社会~~社会の構造転換」として
早稲田大学人間科学学術院教授の橋本健二氏が講演しました。
橋本氏は、格差の広がりを、流行語やジニ係数の推移などから確認したうえで
非正規労働者(パート主婦を除く)=アンダークラスという新しい階級の増大を指摘しました。学校教育からのリタイヤ率の高さ、未婚率の高さ、幸せ感の低さなど、アンダークラスの特徴を示し、アンダークラスの現状を放置することは、むしろ社会的コストを増大させると語りました。
最後に、橋本氏は、アンダークラスを含めた所属階級ごとの意識調査を使い、所得階層が低くなるにつれて、自民党支持が激減すること、格差に対する批判的傾向が自民党以外の野党支持に結びついていることなどを示しました。
<全体の感想>
今回の学校で告発された「格差と貧困を解消する」「国民健康保険をはじめとした社会保障を守る」という命題への答えは、「野党共闘」にあると、最終的にすとんと落ちた学校でした。