12月21日、12月定例会閉会日の本会議で、前原かづえ県議が「Society(ソサエテイ)5.0時代に向けた学校教育環境の整備を求める意見書」案に対し反対討論を行いました。以下は全文です。
日本共産党の前原かづえです。
党県議団を代表して議第48号「Society(ソサエテイ)5.0時代に向けた学校教育環境の整備を求める意見書」案に対し、反対討論を行います。
同意見書はEdtech(エドテック)=教育イノベーションを学校現場でひろげるための3項目を国に求めるものであります。
わが党は、社会のICT(情報通信技術)化推進そのものに反対するものではありませんが、同意見書には以下の理由で反対します。
第1は、このエドテックは教員の負担軽減につながるともありますが、その前に「習熟度に対応した公正に個別化・最適化された学びを可能とする」と記述されています。
学校教育は、子どもたちが集団で活動し学びあう、共同の学習の場です。しかし現実には、受験重視、学力テスト中心という、できる子できない子と振り分けられ、ともに学ぶ喜びが奪われている状況です。学習の個別化が進行している現状をさらに助長しかねないエドテック推進は慎重であるべきです。
第2は、そのために「学校現場と企業等の協働により、学校教育において効果的に活用できる『未来型教育テクノロジー』の開発実証を行う」としている点です。民間産業の参入競争を招くこと、大量の個人情報が民間企業にわたることなどが危惧されます。「学校現場と企業の協働」は慎重であるべきと考えます。
今、学校現場が抱える最大の問題は何か?30度をはるかに超えるというのにエアコンもない教室や体育館。子どもたちがはいれない暗い和式トイレ。教室をカーテンで仕切って2つの学級で使う特別支援学校。教員たちを過労死寸前に追い詰める長時間過密労働。もはや人権侵害ともいえるような学校現場の状況を、まずは改善することこそ、国に対して求めるべき喫緊の課題であると申し上げ討論を終わります。