2017年度の県決算を審査する県議会決算特別委員会が10月23日~11月9日の日程で開かれ、日本共産党からは柳下礼子県議が質問を行いました。討論・採択は12月県議会定例会の中で行われます。
県営公園駐車場の有料化拡大の恐れが
県土整備部の審査において、柳下県議は「県営の所沢航空公園や市民文化センター利用者の中には、駐車場について現在2時間まで無料となっているが、最低3時間まで無料に改善できないかなどの声が寄せられている」として今後の料金設定の見通しについて県の姿勢を質しました。
県は「有料化することで公園利用者以外の使用を抑制している」「今後、状況を見ながら(航空公園とその他の県営公園の)有料化を検討していく」と有料化を広げていく考えを示しました。
これに対し柳下県議は「県民の利便性を考慮し、有料化の検討は行わないようにすること」と重ねて要求をしました。
上下水道料金でも消費税の負担重く
企業局の審査では、柳下県議の質問で、各市町村が住民から徴収した水道料金合計の内、消費税分は100億5千万で、仮に消費税が10%になった場合は25億円余りが新たに加算されることが明らかになりました。さらに、下水道料金では消費税分が54億8千万円余りとなり、10%の場合は消費税分が13億7千万も増える計算になります。
県上下水道を利用する住民にとって、より重い負担になることが浮き彫りとなった形です。
「滞納者が税金を払えるようになるまでとことん支援すべき」
総括的事項の審査では、平成29年度の県税の確保と納税率の向上の取り組みについて質問をしました。「格差と貧困が広がる中で、税金を払いたくても払えないという深刻な相談も多数寄せられているが、具体的な事例にどう対応したのか」「滞納者が税金を払えるようになるまで、とことん支援している滋賀県・野洲市の様に相談者の困難な状況に寄り添うべき」と県の姿勢を質しました。
県は「深刻な事例については親切に相談にのっていく」と答える一方で「市とも連携して収納率の向上に努めていく」と述べるにとどまりました。
これに対し柳下県議は「納税率向上の取り組みは人権侵害にならない様に丁寧に相談にのること」と重ねて求めました。
不便な小児医療センター駐車場改善を求める
病院局審査では、柳下県議は小児医療センター駐車場問題について取りあげました。
以前、重度の医療ケア児を持つ親御さんから寄せられた「センターが移転したら地下駐車場から生命維持の医療機器なども一緒に運ばなければならないので使いにくいし、駐車するのにも待ち時間が大幅に増えてしまう」という不安や「診察時間が予約制になっているので余裕を持って来たけど30分以上待っても車を止められないので、近くの有料駐車場を使った」という利用者の苦情も紹介し、改善を求めました。
これに対し県は「今後も利用者の要望を聞きながら改善に取り組んでいく」と答弁しました。
学童クラブの過密解消に県の努力を求める
福祉部審査では放課後児童対策の推進について質問を行いました。
柳下県議は「放課後学童クラブの待機児童は、1691人となっているが、待機児童をなくすためにどのような取り組みをしてきたのか。」「狭い施設で子どもたちがぶつかり合っている。これで健全な育成が図れると思うのか。」と述べ、昨年度の大規模学童クラブの解消のための県の取り組みを問いました。
県は「大規模学童クラブは所沢市など一部の市に集中している。そのような市には直接出向き、状況を確認しながら今後も相談にのっていく」と答えるにとどまりました。