「埼玉県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例」への反対討論

10月12日、9月定例会閉会日の本会議で、秋山文和県議が「埼玉県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例」案への反対討論を行いました。以下は全文です。

 

日本共産党の秋山文和です。党県議団を代表して、立憲・国民・無所属と県民会議が共同提出した、議第25号議案「埼玉県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例」について反対討論を行います。

本条例改正案は、鴻巣市の南16区、深谷市・寄居町の北4区、加須市の東2区の3選挙区の定数をそれぞれ1減、さいたま市の南5区を1増することで定数を93から91へ2減とするものです。さいたま市の選挙区を5つの選挙区に合区し、各選挙区の定数を3とすることや、地域的一体性を考慮して美里町を北3区に合区することなど賛同できる部分もあります。しかし、以下の理由から反対です。

第一に、憲法の平等原則に基づき、「人口比例原則の緩和の程度は、1対2を超えることは許されない」という判例に反するからです。わが党は、秩父地域の2選挙区を合区したうえで、全選挙区の1票の格差をすべて2未満に抑える提案を行いましたが、本改正案では、秩父郡の北2区をふくめた一票の格差は2.879と2倍を大きく超え、現状の2.841を何ら改善するものとなっていません。

第2に、さいたま市の1人区をなくしながら、定数削減のため鴻巣市と加須市で新たな1人区をつくるなど一貫性を欠いているからです。小選挙区は、議席に結びつかない死票を生み、立候補者の減少・無投票区の増加など民意の反映という点で重大な欠陥をもっております。定数削減ありきであらたな1人区をつくることは認められません。

第3に、県民の民意を正確に反映するためには、人口増に見合った定数増が必要だからです。この間、本県の人口は、定数94となった1979年の482万人から、2015年の726万人へと244万人増加しています。増加分だけでも、人口230万人・定数53の新潟県を上回ります。選挙制度の根幹は多様な民意をできる限り正確に議席に反映することです。そのためには、人口増に見合った定数増が不可欠であり、議員の削減で削られるのは県民の声です。

県民の中には度重なる不祥事などから、議員が多すぎるとの感情があるのも事実です。しかし、わが党は、議会の役割がますます重要になっている現状において、議員定数に関して単純な一律削減論は適当ではないと考えます。

最後に、議会コストの効率化については、報酬や政務活動費、費用弁償、議会視察の見直しなど包括的な議会改革のなかで対応すべきと指摘し、反対討論といたします。