記者発表
2015年7月10日
日本共産党埼玉県議会議員団
団長 柳下礼子
自民党提出の上田知事の問責決議について
知事選を目前に、知事自ら定めた多選自粛条例を、知事が破り4選出馬を表明した行為を非難する自民党の策動があいついだ。一般質問で繰り返しこの問題を取り上げたばかりか、7月2日には動議として、条例を遵守し退任するか、条例を改廃すべきだと知事に迫る決議案を提出し、自・公で可決した。
この決議に従わない知事に対して、定例会最終日の7月10日、自民党は、知事が自ら定めた多選自粛条例を遵守しないことを「モラルの崩壊」「看過できない重大な問題」とする知事問責決議を提出し、自民党のみで可決した。
党県議団は問責決議に反対して、次のように討論した。
「知事選挙に、何歳まで、何期目まで立候補し続けるのかは、個人の自由意思に基づくものです。したがって知事の多選を禁止する条例は、憲法上の疑義が指摘され、努力義務規定とならざるをえませんでした。つまり拘束力のないパフォーマンス条例であることは成立時から明白だったのです。自らのパフォーマンスを覆す知事に対して「モラルの崩壊を招く」と非難するのであれば、その条例制定に賛成し、パフォーマンスに手を貸した動議提出者をふくむ会派も、同様のそしりを免れることはできません。
この多選自粛条例を理由に、その責任を問うというのは、改めて、知事選挙を前に知事の出馬を望まない会派の党利党略と申し上げるしかありません。上田知事は、この12年間で福祉医療の大幅後退や県機関の統廃合の一方、ダム事業など大規模公共事業を推進してきました。県政について、責任を問うというなら、むしろこのように県民の願いに背を向けた知事の姿勢に対してではないでしょうか?
わが党は、県民意識からかけ離れ、党利党略で議会を振り回すやり方にくみすることを、断固として拒否します。
したがって、本動議案には反対するものです。」
以上