日本共産党埼玉県議団は9月27日、埼玉県議会議員選挙の定数・区割りに関する共産党改定案を「埼玉県議会議員定数・選挙区等検討協議会」に提出し、以下の談話を発表しました。
2018年9月27日
日本共産党埼玉県議会議員団
団長 柳下礼子
談話「埼玉県議会議員の定数並びに選挙区等の共産党案について」
表題の件に対する党県議団の基本的な考え方について述べます。
第1は、1票の格差をすべて2未満に抑えたことです。また、人口の多い選挙区の定数が人口の少ない選挙区の定数より少ない「逆転現象」も解消しています。議員一人あたりの人口が2倍を超えるということは、1人が2票を行使するに等しく、憲法の平等原則に基づく「人口比例原則の緩和の程度は、1対2を超えることは許されない」(87年最高裁)という判例にも反するものです。前回2015年の県議会議員選挙では、7千票台で当選、1万7千票台でも落選という選挙区がありました。
第2に、県民の多様な民意がより反映できるよう政令市を含め1人区をできる限り見直したことです。1人区は、議席に結びつかない死票を生み、立候補者の減少・無投票区の増加など民意の反映という点で重大な欠陥をもっております。前回の県議会議員選挙でも1人区で7選挙区が無投票となりました。今回、政令市のさいたま市は衆議院小選挙区単位とするとともに、比企地域の町村を近隣市と合区し、複数区を増やしました。
第3に、秩父地域の特例措置を廃止しました。秩父地域は「面積が広大で、山間部、過疎化、著しい高齢化という特別な事情を抱えている」ことを理由に特例が認められ、現行では小鹿野町と横瀬町などが飛び地のままなっています。しかし、中山間地特有の課題については、選挙制度上での特別扱いではなく、議会の体制や行政の在り方を見直すことで対処すべきと考え、北1区と北2区を合区し定数2としました。
第4に、美里町は児玉郡市の地域的一体性を考慮して北3区と合区としました。本庄市議会も同様の趣旨の意見書を全会一致で可決しています。
第5は、人口増に見合う見直しを行ったことです。議員定数は1979年度(昭和54年度)に94とされて以来据え置かれ、4年前にさらに1議席削減されました。この間、本県の人口は、1979年の482万人から2015年の726万人へと244万人増加しています。増加分だけでも、人口230万人・定数53の新潟県を上回ります。選挙制度の根幹は多様な民意をできる限り正確に議席に反映することです。その点において、現行の定数93は極めて不十分です。
以上、5つの観点を総合的に勘案した結果、総定数は104となりました。
なお、県民の中には「議員が多すぎる」「選挙で何も変わらない」といった感情があるのも事実です。政務活動費をめぐる不祥事などから議員への不信感もあります。さらに、行政が職員を減らしているのだから、議員もみずから身を切る必要があるとの主張もあります。しかし、業務の効率化によって増減する職員の数と、住民意思を行政に反映する代議機関を構成する議員の定数を同列に置くことはできません。わが党は、議員がみずから襟を正すのは当然ですが、議会の役割がますます重要になっている現状において、議員定数に関して単純な一律削減論は適当ではないと考えます。
最後に、報酬や政務活動費、費用弁償、議会視察の見直しなど議会のあるべき姿の包括的な議会改革は当然必要と考えての本提案であることを強調しておきます。
以上