埼玉県議会2月定例会は3月27日、閉会しました。日本共産党埼玉県議団の柳下礼子 団長が今定例会を振り返り、以下の談話を発表しました。
2018年3月27日
日本共産党埼玉県議会議員団
団長 柳下 礼子
2月定例会を振り返って
今定例会では、平成30年度埼玉県一般会計予算をはじめ、76件の知事提出議案と、「犯罪被害者等支援条例」「埼玉県栄誉賞等について議会の議決事件と定める条例」「主要農産物種子条例」など3本の議員提出の条例案と、意見書案8本などが、採択された。党県議団の村岡正嗣県議が、県議団を代表して一般質問を行った。
原発廃止もとめる請願は継続審査ではなく、ただちに採択を
12月定例会で、採決強行された、全国でも例のない「原発再稼働を求める意見書」について、県内外からの抗議・意見が寄せられていたが、本定例会には、原発の廃止などを求める意見書提出を求める3請願が提出されていた。
3月6日の議会運営委員会で、自民党より、請願に対する県議会の態度は12月定例会の意見書で示されており、請願者には取り下げを求めるべきであり、継続審査とすべきだとの趣旨の動議が出され、自民・公明・改革の賛成で可決されたことは遺憾である。(3月27日の本会議で継続審査採択)2月定例会で12月定例会の決定について再考を求めることに何らの問題はない上に、3本の請願は原発再稼働意見書の撤回を求めたものではなく、党県議団は直ちに採択すべきだと考える。
特養の整備予算執行停止附帯決議に県民の抗議が
本定例会中、自民党提案により「地域保健医療計画特別委員会」が設置された。「埼玉県地域保健医療計画」と「埼玉県高齢者支援計画(第7期)」の計画期間が同期間であり、両計画が一体的に議論されるべきだというのが、特別委員会設置の提案理由であったが、党県議団は両計画ともに福祉保健医療委員会に付託されるべき計画であり、同委員会で審議するべきだとして設置に反対した。
同委員会では、「埼玉県高齢者支援計画」についての決議が、自民党により提出され、自民・改革の賛成で可決された。これは県内特別養護老人ホームの待機者数9047人があいまいであること、現時点で702床が空床であるにもかかわらず、これを活用する施策がないことなど、問題点に対する解決策を明らかにするまでは、特養の新設を認めないというものであった。また、予算特別委員会では同趣旨から、平成30年度の特養整備費の執行停止を求める附帯決議が自民党より提出され、自民・改革の賛成で可決された。
党県議団は、特養の空床は介護職員の不足によるものであり、国の介護政策の問題だとして、決議と附帯決議は、国の悪政を容認したまま、県の努力のみを要求し、それができないなら、来年度特養は新設するなという、無理難題を押し付けるものであり、9047人の待機者数からも特養新設は継続すべきであると反対した。
埼玉県社会保障推進協議会は、3月23日同附帯決議の採択に抗議する会長声明を発表した。27日には、医療生協さいたまなどによる抗議行動も行われた。特養を切実にもとめる県民の声に耳を傾け、これらの決議や附帯決議は撤回すべきである。
不要不急のダム建設の一方で、重度障害者いじめ
平成30年度当初予算について、党県議団は①不要不急の水資源開発事業、八ッ場ダム・思川開発の予算93億円が計上されていること ②重度心身障害者医療費助成制度に所得制限を導入すること③競争教育を助長し、教員の長時間勤務をまねく学力学習状況調査2億1560万円が計上されていること④個人県民税対策強化支援事業費の個人住民税重点市集中支援について、市町村の自主的な徴税方針をゆがめ、無理な滞納処分が広がりかねないことなどから反対した。
また、国民健康保険事業特別会計予算については、低所得者・高齢者が大半である国保財政への十分な国費の投入もなく、運営を広域化することは、保険税の引き上げや、無理な徴収強化につながりかねないとして反対した。
圏央道周辺・以北開発プラン・修正案に反対―優良農地の保全を
そのほかの知事提出議案について。「まちづくり埼玉プラン(案)」については圏央道周辺や圏央道以北地域の産業基盤づくりの推進など、県内の優良農地のさらなる開発を進めるものであり、賛成できないとした。また、同プランの自民党修正案については、「地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律」に基づき、中小企業のうち、全国で約2,000、埼玉県で34の地域牽引事業者を絞り込み優遇をすすめること、優良農地の転換をさらに加速させることであり、プランの問題点をさらに深刻化するとして反対した。地域保健医療計画については、国の医療費削減政策の具体化だとして、反対した。
県民栄誉賞に議会の同意は必要ない
埼玉県民栄誉賞、彩の国特別栄誉賞及び彩の国功労賞について、議会の同意を得ることとする条例について、今までの表彰者に、県民からは異論、疑義の声は全く上がっておらず、あえて議会の議決事件と定める必要はないこと、県議会の議決をもって「県民の総意」とする説明には説得力がないこと、表彰はそもそも公開を旨とする議会の同意案件になじまないとして反対した。
そのほか
埼玉弁護士会歴代会長有志23名より提出された「日本国憲法第9条の改正の発議について、慎重に取り扱うよう求める請願」は、「国会の審議経過を見守るべきだ」として自民・公明・県民らによって不採択とされた。党県議団は採択を求める本会議討論を要求したが、認められなかった。
以上