7月6日、6月定例会閉会日の本会議で、村岡正嗣県議が「全国知事会の認識を問う決議」への反対討論を行いました。以下は全文です。
日本共産党の村岡正嗣です。議21号及び議第22号に対する反対討論を行います。
はじめに議第22号「全国知事会の認識を問う決議」(案)の方から述べます。
まず申し上げたいのは、認識が問われるのは決議の提案者自身だということです。自民党は先の知事選以後、執拗に多選自粛条例に関わり知事選出馬を批判しております。私どもに言わせれば「どっちもどっち」です。多選自粛条例は、あくまで「在任しないように努める」ことを義務とする規定であり、努力のあるなしを問うものです。出馬することをもって条例違反と決めつけることは、法律や条例のイロハを踏まえない論理です。もしここまで批判するなら、禁止規定へと修正を求めるべきだったのではありませんか。
全国知事会に対して、自民党会派として意見表明するのは自由です。しかし、県議会で過半数を占めるからと言って、議会の決議として押し通そうとする、それこそ「議会制民主主義」を歪めるものです。
わが党県議団は、立候補は個人の自由意思であり、選ぶのは有権者の自由意思であると考え、知事の多選自粛条例に反対しました。条例の趣旨そのものが、埼玉県民の自由な意思を尊重しないものだからです。提案者である自民党自体が、努力義務規定であるパフォーマンスにすぎない条例制定に、同意し議決しておきながら、「異常事態を全国知事会が追認しているに等しい」などとして、知事諸氏の認識を問うなどとは、全国の知事の失笑を買うだけです。よって、決議案には反対です。
次に議第21号「社会資本及び民間建築物の耐震化の促進を求める意見書」(案)です。社会資本の老朽化対策はじめ耐震化の促進は、誰もが願い賛成できる大事なテーマであることは言うまでもありません。
しかし3項にある、「老朽化した下水道管を更新し、維持管理を強化するための法案を早期に成立させ戦略的な対策を進めること」は問題です。
老朽化した下水道管対策は、わが党も求める急務の課題ですが、ここで言う「法案」とは、現在国会で審議中の水道法改定案にほかなりません。同法案は、地方自治体の水道事業の運営権の民間企業への委託を推進するものです。水道民営化では、国民の生命にかかわる分野で利益が優先され、老朽化などの諸課題の解決に逆行し、人件費削減やサービス後退を招くことは必至です。
地震対策の重要性を口実に、民営化推進の法改定を盛り込むなどは容認できません。よって、本意見書には賛成できません。
以上