育鵬社版歴史・公民教科書が採択される―党県議団が談話

記者発表

県立伊奈学園中学校における育鵬社版歴史・公民教科書の採択について(談話)

 

2015年8月27日
日本共産党埼玉県議会議員団
団長 柳下礼子

埼玉県教育委員会は本日の定例会で、2016年度から県立伊奈学園中学校で使用される歴史・公民教科書として育鵬社版教科書を採択しました。

教科書採択にあたっては、県内の教育団体や法曹団体から県教育委員会に対し、育鵬社版歴史・教科書を「日本国憲法を軽視し、歴史の真実を歪め、過去の戦争を美化・肯定するような教科書」として採択しないよう求める請願・要請などが提出されました。さらに8月6日の採択案の決定後にも、協議のやり直しを求める請願などが提出されました。党県議団も21日、今回の採択案は現場教員の声を無視し、県民の願いに背くものとして採択案の撤回を申し入れました。しかしながら、本日の会議のなかでは、これらの請願や申し入れに対し特段の意見表明もなく、まともな検討もないまま採択案を可決しました。

教科書採択は、なによりも現場教員の意見を尊重して行われるべきですが、伊奈学園中学校の教員が使用したい教科書を提案するという方法ではなく、教育委員が採択案を投票で決める方法をとりました。これは現場の声を無視する採択手法です。学校ごとに生徒の実情に応じて教員から提示された案を採択した、県立特別支援学校や県立高等学校と同様の手法がとられるべきです。

今回の教科書採択は、県民の声に十分こたえず、現場教員の声も無視して行われたものであり、極めて遺憾であります。党県議団は、学習権を保障するために、教員の意見が十分尊重される教科書採択の実現めざし、広範な県民・教育関係者のみなさんと力を合わせて取り組みを進める決意です。