3月27日、2月定例会閉会日の本会議で、金子正江県議が「埼玉県地域保健医療計画の策定について」の反対討論を行いました。以下全文です。
国の医療費削減政策の具体化の計画
日本共産党の金子まさえです。
党議員団を代表して、知事提出の第49号議案 「埼玉県地域保健医療計画の策定について」反対の立場から討論します。
本計画は、全体として、政府が進める医療費抑制政策を具体化するものとなっており、計画の目的である「異次元の高齢社会を迎える本県において、将来にわたり持続可能で質の高い医療体制を確保するもの」となっておらず賛成できません。
第1に、保健所再編整備・拡充の計画がありません。県保健所は1992年には24保健所4支所体制でしたが、上田知事のもとで統廃合がすすめられ、13保健所に集約されました。公衆衛生の観点からも、難病患者をはじめとした県民の利便性からも早急に拡充が必要です。
第2に、地域医療構想では、総数では病床を増やすとしていますが、高度急性期・急性期を余剰としている点は埼玉県の現状を反映していません。救急車の現場滞在時間は最長で148分、問い合わせ最多回数は19回です。急性期病床が余っているという実感は県民の中にありません。急性期も含めて、これからも積極的に病床を整備すべきです。
第3に地域包括ケアシステムをすすめるうえでは、先進の小鹿野町などの例をみれば、保健師などの役割が決定的ですが、全国でも低い保健師数の改善の取り組みがありません。
第4に医師・看護師など医療人材を思い切って確保する施策がありません。特に議会決議でもある県立大学医学部設置が触れられていないことは問題です。
以上の理由から反対です。