「原発事故で失われた『生活・まち』ふくしま」を訪ねて①

20150831170013_08月28日、29日
村岡まさつぐ、金子正子両県議は福島県の原発事故被害地を視察しました。

2011年の東日本大震災と福島第1原発事故から、5年目。
原発による被害の現状を再度確認すること
そして、県議団としてなにをしなければならないか。
このことを学びたいと参加したセミナーでした。

結論的には
原発事故によって失ったものの巨大さを再認識し
すべての原発の廃止を一刻も早く実現しなければならない
そう確認した2日間でした。

建築とまちづくりセミナーINふくしま
2015年8月28日29日
会場福島県アクティブシニアセンター「アオウゼ」
いわき市勤労福祉会館
主催 新建築家技術者集団
後援 災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会
内容
28日第1講座「原発震災~原発被害の総体」
講師 伊東達也氏(原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表理事)
第2講座「原発被災地における復興計画」
講師 間野博氏(県立広島大学名誉教授)
29日バス視察 福島市→川俣町→飯舘村→南相馬市→浪江町→富岡町→いわき市

「日本史上最大にして最悪の公害」

第1講座の伊東達也先生はこのように表現しました。
5年目の今も、被害地には苦難の波がおしよせています。
「2016年2月の営業損害賠償の打ち切り」や「中間貯蔵施設建設受け入れ」「汚染雨水の海への流出」

原発を受け入れたら最後・・・

放射線の含まれた除染汚泥などの貯蔵が急がれることから、双葉町と大熊町に16キロ㎡の中間貯蔵施設(建設費1兆1千億円、地権者2300人)が作られます。
両自治体にとって苦渋の選択です。30年後には県外に最終処分場を造る約束だといいますが、だれも他県が受け入れるとは思っていないとのこと。
「原発を受け入れたら最後、地元はすべてを引き受けざるを得ないことを思い知らされた」と悲痛な声が地権者から出されているそうです。

命が奪われ続けている・・・

「国土の喪失」「過酷な避難生活」「深刻化する被害」「帰れない人々が激増」「分断と対立」
厳しい現状の中で、特に痛ましいのは「命が奪われ続けている」ということです。避難先での過酷な環境により「震災関連死」が今も増え続けています。福島県では、津波などによる直接死は1603人と言われていますが、2015年3月末で関連死は1888人。
直接死を超える死者となっているのです。この数は7月時点で1948人と未だ止まりません。

33基を再稼働させる政府の計画
課題として、「健康診断、検査、医療の継続的な保障」
「県内全10基の原発廃炉は福島県再建の大前提」
とくに、すべての原発をなくしたいという思いが強く胸を打つお話でした。
しかし、政府は「原発をベースロード電源とする(20~22%の電力を原発に依存する)」と発表しました。これは原発33基を再稼働させることを前提としているのです。その中には福島第2原発も候補に含まれるという!!

「福島は多くの「墓標」をたて続けてきた。」
最後にレジュメにはこうあります。
そして「福島から原発をなくし、自然再生エネルギー先進県にすることは、福島の地に将来に向けた新しい日本社会への『道しるべ』(道標)を打ち立てることになる。私たちは今回の大事故に屈することなく、その実現に向けて進む決意を一層固めている」と結ばれています。