3月1日、埼玉県議会2月定例会において、都市農業の振興政策について一般質問をおこないました。
一般農地に比べ過重な税負担の都市農地問題を質す
村岡県議は、「都市農地は宅地並み課税により、一般農地に比べ数十倍もの高額な固定資産税や相続税が課せられ、高齢化に加え、県内の農地が相続税の支払いのために次々と売られ、離農等が止まらない現実がある」と営農の危機に拍車をかけている問題点を指摘しました。
その一方、「営農にチャレンジする若者の増加や、地産地消による地域循環型のまちづくりが期待される」と述べました。
その上で、県に対し①「農業生産用の施設用地や屋敷林についても相続税の軽減措置を行うこと、都市農地や市民農園、体験農園、福祉農園等にも相続税納税猶予を適用すること」さらに②「直売所や作業用通路などの農業用施設用地は農地並み課税とする」事を国に働きかけるよう要望しました。
県は①国に対し生産緑地をJAなどの市民農園開設者に貸付けても、相続税納税猶予を継続できるよう要望してきたとし「今、国が制度の創設を現在検討している」と答弁しました。
一方、②施設用地などへの税制上優遇措置についての国の議論にふれ「必要な要望は国に行っていく」と答えました。
農業の可能性を活かす県の政策を
次に、村岡県議は農家などが利用者に栽培指導を行い注目を集めている農業体験型農園についてふれ、都市農家への情報提供と運営支援を、県としても積極的に取組んでもらいたいと述べました。
さらに、生徒が教育現場で農作業に触れる「埼玉県みどりの学校ファーム」の実績と今後の推進策について県の姿勢を質しました。
県は「体験農園は都市農地を有効に活用する手法であり、都市住民の憩いの場となり農業理解も進む」として農園開設や運営面での指導・助言や支援を行っていくと述べました。
「埼玉県みどりの学校ファーム」については、県内全ての小中学校で実施している。子供たちからは、「収穫までに多くの手間がかかり、農家の方々の苦労と知恵がわかった」などの声があった。今後も農業体験の充実を図っていく」と答弁しました。
貴重なまちなみを守り活用する力、ヘリテージマネージャー養成を県も進めよ
村岡県議は「全国的に地域のまちなみを形成する古民家や土蔵、町屋などの建築物の多くが、その価値の埋もれたまま取り壊されている。こうした歴史的建造物の保存活用の専門知識をもった建築士等を、ヘリテージマネージャーと呼び、古民家を現在のライフスタイルに合わせて改修し、地域と連携して住民の憩いの場へと再生するなど、その活動が期待されている」と述べました。
その上で、「文化庁は資格取得の講習に対する補助金制度を行っている。2016年度からは県内の建築士団体が、自主的にヘリテージマネージャー養成講習会を始めた。県が主体となって文化庁の補助金制度を活用し、ヘリテージマネージャーの養成に本腰を入れてもらいたい」と県に求めました。
県は「歴史的建造物を守り、まちづくりの担い手を、地域の住民や専門家集団等に拡充していきたい」「文化庁の補助金制度も活用できるよう、ヘリテージマネージャー養成について研究を深める」と答弁しました。