埼玉県議会定例会が2月20日、開会され来年度当初予算案などの議案が上程されました。会期は3月27日までです。
原発再稼働を求める意見書に抗議・意見が殺到、148件
昨年12月定例会で自民党、県民会議の賛成によって原発再稼働を求める意見書が可決されたことを受け、原発再稼働の中止や自然エネルギーへの転換を求める請願が、3団体から計1万1820人分の署名を添えて提出されました。
埼玉弁護士会歴代会長有志23名からは9条改憲発議の慎重な取り扱いを求める請願なども提出されています。
村岡県議が3月1日に一般質問
本会議前、議会運営委員会で県議会に対し、原発再稼働を求める意見書への抗議・意見が148件提出されていることが議題に上がりました。日本共産党の秋山文和県議は抗議・意見の全議員への報告を求めましたが、委員長や他会派はこれを拒否しました。
日本共産党から村岡正嗣県議が3月1日、一般質問に立ちます。常任委員会は3月6日から、予算特別委員会は3月9日から開かれます。予算特別委員会では、柳下礼子、秋山文和両県議が質問に立ちます。
ダム開発など大型公共事業は温存
今定例会に提出された2018年度当初予算案は、一般会計1兆8657億6000万円(前年度比0・1%増)で2年ぶりの増額、過去3番目の予算規模です。特別会計や企業会計を加えた予算総額は3兆3926億2570万3000円(同9%増)です。
八ツ場(やんば)ダム開発や思川(おもいがわ)開発事業などの大型公共事業には、約89億円計上されています。社会保障・医療関係では国保県単位化にともなう予算が盛りこまれています。
重度障害者の医療費自己負担分を助成する重度障害者医療費助成制度への所得制限の導入など、福祉切り捨ての施策もおこなわれ、障害者団体から不安の声があがっています。
県民の要求運動の成果も
一方で、子育て・障害者支援、災害対策などでは日本共産党県議団の提案が反映された施策もあります。子育て支援として、私立高校・大学生が3人以上いる家庭への授業料補助について、対象を従来の年収609万円未満から年収720万未満の世帯まで拡大しました
。保育所の待機児童対策として、7500人分の受け入れ枠の拡大と、保育士の人材確保事業の強化もおこなわれます。障害者支援では、保護者からの強い要望が寄せられていた障害者入所施設新設への建築費助成など、障害児(者)福祉施設整備への支援がおこなわれます。
また、県立戸田翔陽(しょうよう)高校内への特別支援学校高等部の新設や、精神障害者支援のための予算が計上された事も、県民の運動の成果です。
災害対策では、雨水浸透ますの設置など雨水流出の抑制、台風9号で浸水被害を引き起こした不老川の河川整備、水門増設など河川の流量調整施設の整備などを実施します。
その他、駅ホームドア設置費用の助成や性犯罪被害者等支援に向けた相談体制の強化、LGBTなど性的少数者の理解を深めるための職員研修などが予算に盛り込まれています。