12月22日、定例会で秋山県議が行った知事提出議案に対する反対討論は以下の通りです。
党議員団を代表して、知事提出議案
第97号議案 「埼玉県山西省友好記念館条例を廃止する条例」
第101号議案 「埼玉県国民健康保険保険給付費等交付金及び国民健康保険事業費納付金に関する条例」
第124号議案「特別職の職員の給与及び旅費に関する条例及び埼玉県教育委員会委員長の給与等に関する条例の一部を改正する条例」
第126号議案「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」
に対する反対討論を行います。
地元自治体無視の山西省友好記念館廃止は認めらない
まず、第97号議案についてです。
本議案は、小鹿野町両神地区にある埼玉県山西省友好記念館を廃止するものです。当記念館は、25年にわたり友好都市の山西省の歴史、自然、文化等を紹介し県民の国際理解を深める役割を担ってきました。地元の小鹿野町からも記念館が国民宿舎・両神荘や両神温泉などと並び町の観光拠点として重要な使命を担っているとして、町長・議長連名で存続を求める要望書が上田知事に提出されています。関係自治体の要望を無視し、地元の納得のないまま一方的に廃止する条例案は認められません。
国保、国庫負担の抜本的引き上げこそ必要
第101号議案は、国民健康保険の財政運営が市町村から県に移管されることに伴い、保険給付費等交付金の交付と事業費納付金の徴収に関し必要な事項を定めるものです。本議案は国保の都道府県化を前提としたものであり、賛成できません。
この移管で、県は保険税額の目安となる標準保険税率を市町村に示すことになりますが、実際の保険税額は当該自治体が引き続き決めます。これまで市町村は、あまりにも高すぎる被保険者の負担を軽減するため、一般会計からの繰り入れで保険税額を抑えてきました。
しかし、今後は標準保険税率をもとに、繰り入れをやめさせる指導が行われ、保険税の引き上げや徴収強化、滞納者の保険証のさらなる取り上げなどが強く懸念されています。都道府県の要求に押されて国は3,400億円の公費を投入することになりましたが、これと引き換えに今後法定外繰り入れをやめさせる圧力が強まることは必至です。
低所得者が多いにもかかわらず保険税額が負担能力を超えるほど高い構造的矛盾の要因は、国が国庫負担を大幅にカットしてきたためです。国保の構造的危機を打開するためには、矛盾を激化させる都道府県化ではなく、国庫負担の抜本的引き上げこそ必要だと指摘しておきます。
特別職の給与引き上げに反対
第124号議案は、知事をはじめとする特別職と教育長の期末手当を0.05月、知事の場合10万円程度引き上げるものです。知事の年収は2,370万円であり、実質賃金の連続的引き下げ、年金支給額削減など生活が苦しい県民感情に鑑み、党県議団は特別職の給与引き上げには反対です。このたびは、職員の期末手当も引き上げられますが、職員の場合、退職手当は5年前の引き下げに続いての引き下げとなります。一方、特別職の退職手当には何らの改定もありません。特別職だけのこのような措置は職員の理解も得難いと指摘しておきます。
県職員の人生設計を狂わす退職金大幅引き下げ
第126号議案は、国家公務員退職手当法の一部改正に伴い、国に準じて県職員の退職手当を一人70万円から80万円の幅で引き下げるものです。平成24年の引き下げと合わせると、500万円近い引き下げとなります。この間、職員は削減に次ぐ削減で全国一少ない職員数となっています。ひとたび災害ともなれば不眠不休で対応するなど、厳しい労働環境のなかでも、日々県民のために必死で働いています。県職員の人生設計をも狂わす退職金制度の改悪を認めることはできません。
官民均衡の原則が引き下げの理由ですが、これは、公務運営の公正中立性確保、厳しい再就職規制と退職後も課される守秘義務、雇用保険の適用がないなど、公務の特殊性をないがしろにしたものです。
判例からみても、退職手当は賃金の後払いとして、労働条件の一つと認められており、労働条件の変更には労働組合の合意が必要です。労組は退職手当の引き下げを納得しておりません。この点からも、本条例は賛成できません。
以上で、反対討論を終わります。