12月12日、前原かづえ県議は本会議一般質問で、ふじみ野市や川越市に甚大な被害をもたらした台風21号について質問しました。
大地震だけでなく豪雨被災者にも支援金拡充を
10月超大型の台風21号が、県西部地域で甚大な被害を発生させました。特に川越江川都市下水路の溢水によって、川越市寺尾地区とふじみ野市元福岡地区は、両市あわせて床上浸水463件、床下浸水319件にのぼり、救命ボートで救出される住民が相次ぎました。
これほどの被害に対して、埼玉県は災害救助法施行令の4号適用をしなかったため、住宅応急修理金(57万円程度)などは被災者に支給されません。前原県議は「たたみの張替えや壁の修理で200万円はかかる」という被災者の声などを紹介しながら、災害救助法適用に相当する独自の被災者支援金を知事にせまりました。また、災害による住宅倒壊時などに支援金が支給される、県・市町村安心支援金を水害時に活用できるよう、拡充を求めました。
県・市町村安心支援金の拡充を
危機管理防災部長は、県・市町村安心支援金の拡充について、昨年、市町村に見直しの意向を確認したところ、賛成が少なかったと答弁しました。
前原県議の再質問に対して知事は、昨年「西部ブロックや北部では浸水被害に重点化した形での新しい仕組みづくりに否定的だった」「今回、やはりこういうことがまた起きているということも含めて再度、市長会、町村会にお願いしなければならない」と県として、見直しの方向であることを表明しました。
新河岸川放水路の渋井水門改修へ
今回の浸水被害は、新河岸川の水位の上昇をうけ、市街地側への逆流防止のために、川越江川の水門を閉めたことで、行き場を失った雨水の溢水によるものです。前原県議は、水門への排水ポンプ設置など川越市を支援する、新河岸川の改修をすすめることなど提案しました。
都市整備・県土整備部長は、「新河岸川上流部の流下能力を高め、都市下水路の川越江川から新河岸川への排水がスムーズになるよう、新河岸川放水路の渋井水門の改修について検討をしてまいります」と答弁しました。
国保税被保険者の急激な負担増は可能な限り避けることが望ましい
前原県議は、来年4月からの国民健康保険制度の市町村と県の共同運営開始について取り上げました。県の「秋の試算」で、追加公費の反映によって被保険者一人あたりの保険税必要額が2016年度に比べて来年度は減額となります。そこで、前原県議は「国費1600億円(全国ベース)を反映するのだから、制度改変の際に、国保税引き上げはすべきではない」と迫りました。
保健医療部長は「新制度への円滑な移行の観点から、被保険者の急激な負担増は可能な限り避けることが望ましい」「11月の試算によると大半の市町村において、今回の制度改正の影響による保険税の上昇はないとの結果が出て」いると答弁しました。
差し押さえ禁止財産「月10万円」の周知を
また前原県議は、国保税の滞納者への差し押さえ禁止金額の周知徹底について質問。部長は「滞納者の最低生活の保障などの観点から」「1か月あたり滞納者本人につき10万円、親族一人あたり4万5千円を加算した額が給料等の差し押さえ禁止の基礎となる金額であり」「滞納処分の制度の適切な運用を図るため7月に研修を実施」「引き続き市町村に対して研修を通じて周知していく」と答弁しました。