6月27日金子正江県議は、一般質問で、医療的ケア児・重症心身障害児者の保護者支援を取り上げました。
夜1時間程度しか眠れない日も・・・
人口呼吸期装着・経管栄養、胃ろうなど医療的ケアの必要な障害児者が、周産期医療の発展の中で増加していますが、ほとんどが在宅療養で、多くの場合介護は母親一人に任せられています。金子県議は「夜1時間程度しか眠れないこともしばしば」「子供さんが入院すると24時間医療機器を外さないように手を握り続ける」「トイレにもいくことすら許されない」と必死に介護をしているお母さんの日常に対する知事の受け止めを問いかけました。これに対し知事は「私の知人の中にも在宅でお子さんを介護しておられる方がいる」として「長時間の介護や見守りなどご家族の負担を軽減するための支援を充実することは、極めて重要なことだと認識している」と答弁しました。
コーディネーター養成、さっそく取り組む
金子県議は、医療的ケアの必要な障害児の保護者の包括的な支援が必要だと指摘し、国の「地域における医療的ケア児の支援体制整備事業」のモデル地域として手をあげ、コーディネーター配置や実態把握に取り組むよう求めました。知事は「コーディネーターは家族の相談を受け、必要な医療や福祉サービスにつなげる重要な役割を担うもの」として「私も重要と考えますので、さっそく要請に取り組む」と答弁。モデル事業実施にむけ「自立支援協議会において事業の内容についてしっかり検討」すると述べました。
学校に通えない医療的ケア児。集団で成長することは権利
医療的ケアのある障害児は、特別支援学校の通学バスに乗ることができず、保護者が自動車を運転しないと学校に通学することができません。金子県議は「集団の中で成長することは子どもの権利」だとして、通学バスへの看護師の同乗を求めましたが、教育長は「スクールバスの中では安全面や衛生面で適切な環境を確保できないことから医療的ケアの実施は困難」として、「今後とも児童生徒の状況や保護者の要望等にも配慮しながら適切に対応」すると答弁しました。
医療的ケアのできる入所施設、せめてショートステイ増床を
金子県議は、こうした障害児者の入所施設である東部5市1町の中川の郷について、70床が満床、2床のショートステイには2ヵ月前の申込みに30人が殺到すると指摘、あと10床増やしたいという院長の声を紹介して、ショートステイの増床を支援すべきだと求めました。福祉部長は「今後とも入所希望者の状況を見ながら、必要な施設の整備について支援」すると答弁しました。
また金子県議は、医療的ケア児などの在宅療養のかなめである通所施設が全県で14か所程度であることから、看護師の配置ができるよう報酬改定を求めました。とくに再質問で「次は平成30年に報酬改定があるはず。この30年に向けて積極的に国に働きかけを」と強く求め福祉部長は要望すると答弁しました。