3月9日の予算特別委員会・総務部局の審査が行われ、金子正江県議が質疑に立ち、行き過ぎた徴収のあり方について、県の姿勢をただしました。
県は、「税収確保対策の強化」を掲げ、「市町村や県税事務所から実務研修生を受け入れ、滞納整理を通じて徴収スキルの向上を図る」とし、差し押さえや競売などを強化する方針を明らかにしています。現実には、悪質な滞納者ばかりではなく、払いたくても払えない、という滞納者も少なくありません。
取り立て強化ではなく、野洲市の「ようこそ滞納していただきました条例」に見習うべき
滋賀県野洲市(やすし)は、滞納者の納税相談に乗りながら、相談者が自立出来るよう支援する「債権管理条例」、いわゆる「ようこそ滞納していただきました条例」を昨年施行しました。金子議員は野洲市の債権管理マニュアルの一部を資料として配布。「税金を納めてもらう以前に、市民の生活が健全でなければならない。市民の生活を壊してまで滞納整理をするのは本末転倒」という野洲市・山仲市長の言葉を紹介しながら、「破たんに瀕している生活や事業を再建する手立てをきめ細かく講じることこそ、行政本来の仕事。それでこそ、長い目で見れば、税収増につながる」と指摘。こうした野洲市の姿勢をどのように感じるか、とただしました。部長は「埼玉県も県民の生活再建に責任を持てる再建マニュアルを作り、県職員に徹底する必要があるのではないか」とただしました。部長は、「県と、直接市民と関わる市では役割が違う」と答弁。
これに対し金子議員は、「今、県の職員が市町村に派遣され、県職員も直に聴取を行う場面もある。まずは県が、野洲市のような、県民の生活再建に責任を持てるようなマニュアルを作り、県職員に徹底すべきではないか」と質問。部長は、「県税事務所には生活保護などのパンフレットも置いてしています」と答弁。県として生活再建のためのマニュアル作りには言及しませんでしたが、「野洲市の例を参考にさせていただきたい」と答弁しました。