3月1日、秋山県議は一般質問でアスクル物流倉庫火災、消防力の強化、犯罪被害者支援問題をとりあげました。
首都圏の物流倉庫、225件が操業し、今後着工は193件
三芳町の通販会社アスクルの物流倉庫で2月16日に起きた火災は、床面積4万5千㎡を焼き、鎮圧までに6日、鎮火まで12日を要する大規模なものでした。総務省によれば、床面積1万平方メートル以上の建築物の火災は過去10年間に2件、いずれも1・2日で消火に至っており、アスクル火災は、例をみない大規模火災との認識を表明しています。日本立地総覧によると2013年から2014年に首都圏の物流施設は、225件が操業、着工が193件です。秋山県議は、アスクル火災の原因究明と、物流倉庫の現状把握を求めました。
知事は、同様の施設の防火管理体制徹底を通知したとしたうえで「県としても各消防本部とともに、県内の大規模物流倉庫の現状をしっかり把握し、再発防止の注意喚起も含めた防火対策に取り組んでまいります。」と答弁しました。
消防の「予防」担当は充足率40%程度
また、秋山県議は、消防職員の充足率が82.7%、救急車92%と必要数を満たしていないこと、職員全体の充足率が82%でも、担当部門別にみれば予防担当職員の充足率は地域によっては40%台という極めて低い状態が生まれていることなどを指摘。部門別の充足状況を把握し、充足を求めました。「予防」は消防法に基づき建築物の検査を行う部門です。県危機管理部長は「秋山議員の御指摘のとおり、予防部門に携わる職員の充足率は低く、その強化が求められているところです。予防部門の強化は全国的な課題でもありますので、都道府県部局長会などを通じて議論の上、必要な支援を国に要望してまいります。また各消防本部の部署別の充足状況につきましては、充足率の低い消防本部に対して重点的に働き掛けを行っていく」と答弁しました。
議員ご提案の「明石市の(犯罪被害者)立替支援金制度」など研究する
犯罪の被害者は直接的な被害だけでなく、精神的ショックや心身の不調、経済的困窮などの2次被害に苦しめられるため、被害直後のみならずその後のきめ細かな支援が非常に重要です。秋山県議は県犯罪被害者援助センターの拡充や、性犯罪被害者のための病院拠点型ワンストップ支援センターの設置を求めました。
また犯罪被害者支援条例を制定している県内自治体は、蕨市、嵐山町、三芳町の1市2町のみです。秋山県議は、兵庫県明石市への調査をもとに、埼玉県でも全市町村の犯罪被害者支援条例の制定をめざし、まずは県が、率先して犯罪被害者支援条例を制定すべだと主張し、被害者の要望に沿った「立替支援金制度」や日常生活支援など具体的な支援制度の創設を求めました。
県民生活部長は、性犯罪被害者支援関係の広報を強化するため、来年度予算に新たに援助センターへの支援を計上したと述べました。そのうえで「今後、議員お話の明石市の立替支援金制度なども研究しながら、犯罪被害者に寄り添った支援にしっかりと取り組んでまいります。」と答弁しました。