2017年度から2021年度の埼玉県の最上位計画となる「埼玉県5か年計画(案)」が県議会特別委員会で審議されてきました。秋山文和県議が委員として審議に参加してきましたが、2月20日修正案を特別委員長に提出しました。
国言いなりの大型開発ではなく、農家・中小企業への実効ある支援策を
5か年計画ははじめに、本県の人口構造の大きな変化や、高速道路や新幹線の整備をあげ、変化に適切に対応し持続的発展を実現することが、同計画の趣旨だと説明しています。
しかし、その内容は、①八ッ場ダム完成をはじめとする開発優先、②企業立地を進める一方で、実効力のある中小企業支援に力をそそがない、③農業の集積をすすめる一方で、家族経営などすべての農家支援の視点がないなど問題があり、これでは埼玉県の持続的発展は実現不可能です。
そこで、秋山県議は八ッ場ダム完成を前提とする目標を、雨水や再生水利用など節水型社会を推進する目標とすること、中小企業の支援のために、年間1万件程度に落ち込んでいる県制度融資を2万件まで引き上げる目標を持つこと、農業集積の目標を農業就業人口の維持とすることなどの修正提案を行いました。
特別養護老人ホームの待機者解消を
また、前計画で掲げていた介護基盤の整備目標を取り下げたことも問題です。かわりに「75~79才の要介護認定率の維持」が介護分野の指標として取り上げられましたが、厚労省が2009年に要介護判定が低く出るように認定基準を改定した例からも、この指標は介護の充実につながりません。秋山県議は、特別養護老人ホームの待機者解消と全市町村での24時間介護サービス実施を修正案に盛り込みました。
児童虐待防止対策について、県は虐待死をゼロにするという目標を掲げました。しかし、これは児童相談所が関与した事件に限定した目標です。これでは、児童相談所の虐待事案を把握しようと努力が促進されません。秋山県議は、児童相談所の関与にかかわりなく「すべての虐待死をなくす」目標に修正しました。
全国一斉学力テストの成績を初めて目標に
県の持続的発展にとって、子どもたちの教育は重要です。しかし、5か年計画では初めて、小中学校で全国一斉学力テストの平均点で全国トップクラスとなるという目標が掲げられました。一方で、少人数学級の拡充は計画がありません。特別支援学校の教室不足も計画では触れられていません。全国学力テスト実施以来、「各地で学校が平均点競争に走らされ、「平均点を上げるため、先生が正解を教える」「ドリルばかりで本来の授業がおろそかになる」など問題が噴出しています。真の学力形成に全国学力テストは有害です。秋山県議は、学力テストの目標を削除し、少人数学級の拡充と特別支援学校の不足教室解消の修正を提案しました。
同修正案は、自民党提出の修正案とともに3日の特別委員会で審議・採決されます。