県職員や教職員にフレックスタイムを本格導入ーまず、抜本的な時間外労働削減を

3月27日、城下のり子県議は知事提出議案(予算以外)に対する反対討論を行いました。

討論全文は以下の通りです。

日本共産党の城下のり子です。党県議団を代表して

第27号議案「職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」

第33号議案「埼玉県県民健康福祉村条例を廃止する条例」

第34号議案「さいたまスーパーアリーナ条例の一部を改正する条例」

第44号議案「学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」

第56号議案「埼玉県5か年計画等の変更について」の修正案

第56号議案の修正部分を除く原案

第60号議案「埼玉県環境基本計画の変更について」

反対の討論を行います。

初めに第27号議案と第44号議案は一括して討論します。これらは県職員と学校職員にフレックスタイム制度を本格的に導入するものです。

反対の理由は、労働基準法にもとづき公務員に定められた「1日7時間45分、週38時間45分」という所定内労働時間制度が形骸化されるからです。所定内労働時間制度は時間外勤務を管理し、長時間労働に歯止めをかけるための原則です。県職員は令和5年度で年間労働時間が100時間をこえた方が94人、教職員は給特法のもと勤務時間外労働の把握が極めてあいまいになっています。このままフレックスタイム制度が導入されることは、各職場の勤務管理をきわめて困難にし、県職員とくに教職員の勤務状況をさらに悪化させる懸念があります。

全国的には、フレックスタイム導入または導入予定の都道府県は16にとどまっています。「同じ部署で休日希望者が殺到した場合、どうするのか」(三重県)など、やはり勤務状況の管理の難しさを語っています。

今、求められているのは、複雑な仕組みを取り入れて、週休3日制を導入することではありません。まず県職員の時間外勤務を短縮し、教職員を増員して超長時間勤務を抜本的に改善すべきと指摘します。

次に第33号議案です。埼玉県県民健康福祉村は都市公園に変更され、屋内温水プールとトレーニングジム、サウナのあるときめき元気館が廃止されるというものです。ときめき元気館使用料について障害者は全額免除、65歳以上には軽減制度があります。このような福祉的使命をもつ施設を廃止することはみとめられません。

続いて第34号議案「さいたまスーパーアリーナ条例の一部を改正する条例」です。ホールをはじめ全体の利用料金上限額を20%引き上げます。スタジアムの場合435万6000円から682万円へ246万4千円の引き上げです。様々な経費が高騰しているとはいえ、アリーナの利用者は令和5年度で258万人で、引き上げの影響が大きすぎます。

第56号議案「埼玉県5か年計画等の変更についての修正案、第56号議案の修正部分をのぞく原案、第60号議案「埼玉県環境基本計画の変更」について一括して討論します。

まず「埼玉県5か年計画等の変更」の原案についてですが、

反対する項目は、第1に変更指標1、思川開発事業工期の変更についてです。思川開発事業はすでに7回もの計画変更がされ、現在総事業費は2100億円、県負担は272億円にもなっています。令和4年度から令和6年度にも電気代の高騰などの理由で、総事業費は約250億円増、県負担も32億円増となりました。

この度の工期の変更についてですが、この事業は、もともと水量の少なすぎる思川につくるダムのために、周辺河川から山をくりぬき導水路トンネルを引くという難事業です。この導水路トンネルの土が崩落したことにより、工期が2年延長したものです。物価高騰も、地盤の悪い土地に導水路をくりぬく工事も引き続きます。今後の負担金増額がないという約束はありません。当初予算案でも述べたように、これだけの負担に対して利水上・治水上の必要性についての説明が行われていません。

以上のことから同指標の変更に反対です。

反対の第2は、変更指標13の温室効果ガスの排出削減率についてです。

県が変更した温室効果ガス排出削減目標は、2035年度までに2013年度比60%とする国の目標と同じペースです。山火事や猛暑・豪雨・豪雪など地球温暖化がハイスピードで進行し、国連グテレス事務総長は「地球は救難信号を発している」と危機感を表明しています。今、産業革命前からの気温上昇を1・5度以内に抑えるよう、世界全体で35年までに2013年比66%削減することが必要です。危機的状況を抜け出すためには、日本政府にあわせた目標では低すぎます。長野県のように国を上回る目標を掲げるべきです。

なお第60号議案 「埼玉県環境基本計画の変更」も同様の理由で反対といたします。 

最後に、5か年計画修正案は原案に流域下水道の老朽化対策の推進を盛り込むもので、必要な修正と考えますが、原案に反対であることから反対するものです。

以上です。