特別支援学校の過密 対策ようやく進む①

埼玉県内に特別支援学校が何校あり、何人の受け入れが可能なのか。多くの方には接点のない問題かもしれません。
しかし、当事者あるいは保護者にとって、これは切実な問題になりつつあります。

障害をもち、一人で歩けなかったり意志を伝えるのが困難な子どもに寄り添った教育を行う、いわゆる「養護学校」の成り立ちは40年前に遡ると言われています。
それよりも前には、それら障害を抱えた子どもたちは学校に入るための試験を課され、選考に合格しなければ教育をうける機会すら与えてもらえなかったという時代もあったのです。

実は、知的障害をもった子どもの数は、ここ10年で1.63倍にまで増加していることをご存知でしょうか。
埼玉県だけでなく、全国的に知的障害児童数は大きく増加しているのです。出生率の減少で児童生徒そのものは減少しているのにも関わらず、です。
これには「発達障害」としてこれまで問題視されてこなかった児童の障害が明らかになったことなどが関わっています。

そうした中で、急激に問題視されるようになったことの一つに「教室不足」が挙げられます。障害をもった児童を受け入れる学校に空間の余裕がなく、教室をカーテンで仕切って2クラスの授業をしたり、廊下で体育をしたり、プールで面談をしたり…というような涙ぐましい努力が現場では行われていました。

なぜ、そういったことが起こっていたのでしょう?

~②へ続きます。