不足する児童相談所②…虐待の実態

年々増加する児童虐待の件数。埼玉県内では、平成30年度は15000件を超え、約10年で5倍近くにまで増えています。
2019年4月より、今国会での成立を目指して、深刻化する児童虐待への対策強化に向け、政府が閣議決定した児童福祉法などの改正案の審議が始まりました。

今回の改正案の主なテーマは、親の体罰禁止と児童相談所の機能強化です。人材確保と育成、予算の拡充などといった具体的な対策が求められます。
よく児童相談所の課題として、ニュースで取り上げられるのは人材不足です。埼玉県内では、児童相談所は7か所あり、それぞれが各地域を管轄しています。各担当地域は人口によって調整されていますが、全国的にみると、一つの児童相談所が100万人を網羅しないといけない地域があったりと、負担が集中しがちな地域があるのが現実です。
そこで対応できる専門職「児童福祉司」の人数を増やそうとすると、今度はこの児童福祉司が足りないというのです。
政府は2022年度までに2,000人を増員する方針ですが、現場からはそれでも不十分との悲鳴が上がっているんだそうです。

また、対応にあたる職員たちは、経験年数が5年に満たない人が全体の約6割と、経験不足も課題にあがります。現場経験を積み、虐待リスクを的確に判断できる人材の確保と育成が欠かせないでしょう。

子どもを守る網の目ができるだけ細かになるよう、市区町村を含め多様な機関が協働する仕組み作りが急がれます。

埼玉県の児童相談所についてはこちらからご覧いただけます。