県立久喜図書館は存続を。熊谷図書館の機能を移転して発展させるべき

伊藤はつみ県議は3月14日の予算特別委員会で新県立図書館基本構想についての質疑を行いました。

この基本構想は、北部地域振興交流拠点施設に窓口を置く非来館型図書館を新設して、久喜市と熊谷市にある県立図書館を廃止するというものです。

久喜図書館全体がボランティアの温かさにあふれている

伊藤県議は「久喜図書館では41人ものボランティアを組織し、ボランティア指導者が、市町村のおはなし会を支援している。図書館全体にボランティアの手作りの飾りやグッズがあふれて、温かい雰囲気がつくられている。こうしたボランティア育成の好事例を市町村に広げていくのは、県立図書館の役割。これを継続していくべきだがどうか」と聞きました。

教育長は「好事例を市町村に広げていくということは、重要なことであると認識している」と答えました。

伊藤県議は「存続を」とさらに教育長に迫りました。

教育長は新たな県立図書館はオンラインを中心に考えており、これまで実施をしてきた様々なサービスに関しては、今後利用者の声を丁寧に聞いていくと答えました。

ボランティアの意見を聞くべき

伊藤県議は「ボランティアによって本当に暖かい県立図書館が運営されてきた。こうした方々のご意見は、どのように反映されたのか」と聞きました。

 生涯学習推進課長は「当然聞きながら話はさせていただいている」と答えましたが、具体的な話はありませんでした。

熊谷図書館の女性創業相談会等もなくなるのか

熊谷図書館はビジネス支援に力をいれています。高度な専門書や、市場の動向、地域のニーズなどのデータベースがあり、職員に相談しながら調べることができます。

さらに女性創業相談会も行われており、事業計画等のアドバイスも具体的に受けられます。ホームページには、熊谷図書館のビジネス支援室や女性創業相談会を使って創業した方の体験記が載っていました。

伊藤県議は「このサービスもなくしてしまうのか」と質しました。

教育長は「利用者の方からの相談だとかビジネス支援に関する講座等については、オンラインで行うとか、北部地域振興交流拠点内で行うということも考えている。来年度、新県立図書館の基本計画を策定していく中でしっかり議論していく」と答えました。

高度な知識や技術を持った司書が維持されるのか

 図書館のセンター的機能を発揮する上で重要なのは、高度な知識や技術を持った司書がいるかどうかです。

 伊藤県議は「現在、熊谷図書館には司書が48人いる。北部拠点は司書が何人となる予定か」と聞きました。

 教育長は「新図書館での司書数だが、まだサービス内容が決まってないため、現時点では答えられない。新しい図書館の業務量に応じて適切な職種職員数の確保に努めていく」と答えました。

教育長「熊谷図書館、久喜図書館は廃止」

伊藤県議は「久喜図書館は現在のまま残し、北部拠点には熊谷図書館の機能を移転して発展させるべき」と教育長に求めました。  教育長は「新県立図書館については、現在の熊谷図書館および久喜図書館を廃止して図書資料を1ヶ所に集約するとともに、デジタル技術を活用することによって、サービスの質的向上を図るよう検討している」と答弁しました