シルバー人材センターが消費税13億円以上の納税!?―決算特別委員会(産業労働部・福祉部)

11月7日決算特別委員会開かれ、産業労働部、福祉部の審査が行われました。城下のり子県議が質疑を行いました。

シルバー人材にもインボイスで課税ー会員に影響が出ないよう、シルバー人材センターが支払い

令和5年度10月、国民の反対を押しきってインボイス制度がスタートしました。シルバー人材センターの会員もインボイス制度の対象となりました。そこで城下県議はどのような影響が出ているのか質疑しました。

県は「会員さんに影響を与えることがないよう、それぞれのシルバー人材センターが消費税を納めています」と回答。城下県議は「だいたいの試算でどれくらいを納めているのか」聞きました。県は「納める本来の額は13億5000万。しかし8割の控除が現在あるので、2割、2億7000万を支払っている」とのことでした。

この控除は令和8年(2026年)10月1日までは8割ですが、それ以降は令和11年(2029年)10月1日までは5割、それ以降は控除なしとなります。多大な負担がシルバー人材センターにかかってきます。インボイス制度そのものを廃止するしかありません。

立地企業促進するなら正規雇用を拡大とその後の雇用継続をフォローアップするべき

続いて城下県議は企業誘致について質疑を行いました。県は企業誘致を促進し、法人税収アップのため、県内に新たな土地や建物を取得した企業に対し、不動産取得税への補助などの支援を行っています。

令和5年度の実績は27件。額は7億2千700万ほどです。企業誘致についてはこの誘致によってどれだけの正規雇用が地元で生まれているのかが重要です。

令和5年度、新規雇用は363名。そのうち正規は183名、非正規は180名です。製造業は5人以上の新規雇用を条件としていますが、正規でという条件はありません。物流加工業については新規雇用を10名以上とそのうち正規は5名以上という条件があります。

城下県議は正規雇用を拡大すべきと主張し、「雇用の継続性についてどのようなフォローアップをしているのか」と質しました。県は「企業に対し雇用の継続性をお願いはしている。数の調査はしているがフォローアップはしていない」と答えました。

保育所の障害児加配への県単独補助をなくすな

党県議団は保育所の方たちから「現在県が行っている障害児加配をなくさないで」との要望が繰り返し寄せられています。城下県議は「見直しを検討していのか」と聞きました。県は「県と市町村で2分の1ずつ出し合って1人につき4万円を補助してきた。しかし市町村に対する国の交付税措置がありそちらの方が有利なので、市町村に対し、そちらを使うよう働きかけ、令和8年度にはこの県単独補助事業を廃止することを決めた」と答えました。城下県議は「ではなぜ、市町村に広がらないのか」と質問。県は「この交付税措置は様々なメニューで使うことができるものなので、別の用途で使ってしまうことがある」と回答。城下県議は「だとするなら、県の単独補助も残して、保育所が障害児加配をした場合は補助を受けられるようにすべき」と求めました。

社会福祉施設等へのしっかりとした監査を

県は社会福祉施設等への指導監査を行っています。通常調査と通報などがあって行う特別調査があり、令和5年度の特別調査は37件でした。

今年、障害者向けグループホームを全国で展開している運営会社「恵」の事業所が利用者から食材費を過大に徴収していた問題が愛知で発覚。事業所としての指定を取り消したことをきっかけにして運営するほかの事業所についても今後指定の更新を認めない措置を取ることになり、本県においても「恵」のグループホームがあることから今後は指定の更新ができなくなりました。また障害児通所事業者が報酬を過大に請求し、不正に報酬を受領した問題では、指定の取り消し処分となりました。こうした問題で被害を受けるには利用者と家族であり、早期に発見し、是正指導することが必要です。

城下県議は「監査で問題を見つけることはできなかったのか」「監査の改善が必要ではないか」との質疑を行いました。県は「食材費を過大に徴収していた問題ではこれま出納帳までは確認してなかったことから気づけなかった。今後は出納帳なども確認していく。障害児通所事業所の方は監査が終わった直後から不正が始まった。今後については頻回に監査に行けるようにしていく」と答えました。