国保税引き上げ方針は撤回をー山﨑一般質問③

12月11日、山﨑すなお県議が一般質問し「失われた30年、県は、賃金低下と物価高騰に疲弊する県民の防波堤に」として、国保税の引き上げ方針などを取り上げました。

狭山市の保険税引き上げは県に責任はない?

2017年以来、県国民健康保険運営方針のもと、各自治体は県から一般会計繰り入れ解消を迫られ、53自治体が保険税を引き上げています。この12月定例会でも狭山市は全体で平均7,390円引き上げ、例えば年収236万円2人の子どもを抱える母子家庭の保険税を約3万円引き上げ24万5800円とする案を提出しています。さらに県は狭山市の一般会計繰り入れ解消が進んでいないとして、特別指導を予定しています。山﨑すなお県議は「知事、母子家庭に年3万円もの保険税引き上げを行うことについて、どうお感じになりますか。狭山市に県が特別指導を行い、狭山市の一般会計繰り入れが全廃されたなら、さらなる保険税引き上げが起こるのではないでしょうか?」と質問。

知事は、200万円の母子世帯への負担について、「所得に応じた軽減制度」があるとして、「被保険者の方には国保制度を維持するために必要な額を保険税として負担していただいている」と当然視。また、今後狭山市の保険税引き上げの可能性については「医療費適正化や収納率向上、賦課限度額引き上げ」などで収入確保できるのだから「狭山市においても適切に対応されるもの」と県としての責任をまったく自覚しない答弁でした。

保険税統一方針が保険税を引き上げていることに、無自覚

令和12年度までに保険税水準の完全統一を目指す第3期国保運営方針について、山﨑県議は「統一のメリットは県内どこでも同じ保険税と言いますが、高い金額で同じ保険税になるなら、被保険者のメリットはないと考えますが、いかがでしょうか?」と追及。知事は「統一により、被保険者の負担が増減することはあるが(市町村によってあがるところ下げるところがある)、高い金額で同じにはならない」と答弁。保険税の統一は、市町村の一般会計繰り入れ解消と一体に進められており、だからこそ53自治体がすでに保険税引き上げを行い、狭山市も12月大幅引き上げをせざるを得ないのです。知事は、「統一」の真実をしらないのでしょうか?

県費投入で保険税引き下げは拒否

山﨑県議は、来年度の一人当たりの保険税必要額が4年連続引き上げとなることを取り上げ「国の負担は増えない、市町村の繰り入れ全廃なら、県の基金や一般会計から繰り入れて、この5385円の引き上げを食い止めてほしい」と求めましたが、知事は「すでに(法定の)550億円を一般会計から支出しており、さらなる県費投入は難しい」と拒否しました。

児相の委託―実務経験1年以上で、正規・非正規は問わない

県は2019年以降3つの児童相談所で、虐待通告のあった児童の安全確認を民間団体に委託し、10月からはすべての児相で実施しています。先行実施している3つの児相では正規職員は2名、非正規は6名で安全確認を行ってきました。非正規職員で通算3年以上勤務し続けているのはそのうち2名にすぎません。

山﨑県議は「くるくる入れ替わる非正規職にファーストタッチを任せることに、専門性の観点からも個人情報保護の観点からも問題だ」と指摘し「あくまで民間委託を続けるのであれば、すべて正規職で」と求めました。これに対して、福祉部長は「職員の要件は正規か非正規かという就労形態ではなく『対面による相談業務の実務経験が1年以上あること』」「安全確認業務はすべて正規職員である必要はない」と驚くべき答弁。わずか1年の実務経験で十分とする姿勢は、児童相談所の業務の重さを自己否定するものです。