9月定例会最終日、知事提出議案1件に対して、山﨑すなお県議が反対討論を行いました。
第104号議案「第2期埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略の変更について」に対する反対討論を行います。
本議案は2022年12月に国が、まち・ひと・しごと創生総合戦略をデジタルの力を活用した問題解決への取り組みを加速化・深化させるために抜本的に改訂したことを受け、本県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を「デジタル田園都市国家構想の実現に向けたまち・ひと・しごと創生総合戦略」にタイトルをかえ、主な施策にマイナンバーの活用による行政手続きの利便性の向上等を盛り込むというものです。
反対の理由はマイナンバー制度は個人情報が集約され、流出する危険のある制度であり、そのマイナンバーの活用を位置付けているからです。
個人情報保護のための国の監督機関である「個人情報保護委員会」は昨年8月、個人情報の管理体制が「不十分」とした地方公共団体は8割、「重大な問題点」が認められた団体が2割もあったと指摘しています。そして今年6月、昨年度のマイナンバーに関連する個人情報の漏えいや紛失は171件、このうち、1度に100人を超える情報を紛失するなどの「重大な事態」は36件で、前年度の4倍に増えたと報告しています。同委員会は「重大な事態」の報告件数の増加理由について、規則の改正で対象範囲が広がったことも影響したのではないかとしており、規制が緩和され、対象範囲がさらに広がれば、個人情報の漏えいや紛失する「重大な事態」はさらに増加する可能性があります。
さらにマイナンバーをめぐってはマイナンバーカードと一体化した保険証に他人の情報が紐づけられる問題をはじめ、コンビニで証明書が受け取れるサービスに不具合が生じ、住民票の写しや戸籍証明書が他人に交付された問題、マイナンバーカード取得者向けのサイトである「マイナポータル」上で他人の年金記録を閲覧できる状態になった問題、公金受取口座やマイナポイントが他人に誤付与された問題と、問題が次々と明るみに出ています。
マイナンバーをめぐるトラブルが相次ぐなか、JNNが行った6月の世論調査では7割を超える人がマイナンバーの活用に不安を感じていると回答しています。
よって、個人情報の流出する危険があり、さらにトラブルが相次ぐマイナンバーの活用はいったん立ち止まり、位置づけることはやめるべきです。