月27日伊藤はつみ県議は初の一般質問を行いました。1問1答式で、「高すぎる国民健康保険税を引き上げ、国保財政の健全な運営を図るために」というテーマを取り上げました。
4人家族で年50万円。法定外繰り入れ廃止が税引き上げに
国保税が高すぎます。地元ふじみ野市では所得300万円の子ども2人4人世帯で年約43万円。負担の限界を超えているのに、今年度から7万円も引き上げ約50万円としました。
県は第3期県国保運営方針原案を公表しました。方針は、令和9年度までの保険税水準の準統一に向けて、令和8年度までに市町村法定外繰り入れをすべて解消すると明記しています。一般会計からの繰り入れをすべてなくせば、被保険者に負担を負わせるしかありません。この5年間の市町村法定外繰り入れ削減の中で、保険税の所得割の引き上げを行ったのは27、均等割りを引き上げたのは30市町村です。
伊藤県議は「すべての法定外繰り入れをなくせば、さらなる保険税引き上げが行われることは必至です。国保法にあるように、国保は社会保障制度です。準統一、法定外繰り入れの解消を絶対市町村に押し付けるべきではありません」と指摘しました。
国費増額はいつ実現するのか?
そのうえで、伊藤県議は、第2期運営方針には「国保財政悪化の原因は保険給付費の歳出に対する公費割合が変わらないからだ」と書かれているとして、「この問題解決こそが国保財政安定化の必須条件です。知事、この公費負担割合を増やすために、全力を挙げるべき」と質問。大野元裕知事は「国民健康保険には、医療ニーズが高い高齢者が偏在している一方、低所得者が多いという構造的問題があるため、所得に対する保険税の負担割合は、他の医療保険と比べて高くなっている。県では毎年国に対し、低所得者対策の拡充や国の定率負担の引上げなど要望している」と答えました。これに対し、伊藤県議は「来年度国費増額の見通しは?」と再質問。知事は来年度定率負担の引き上げは見込めない」と答弁しました。
国費増額がないなら、国保税水準の統一急ぐな
伊藤県議は「国保の国庫負担の抜本的増額はなく、一方で、法定外繰り入れ解消と収納率向上だけ急ぐのでは、被保険者だけにしわ寄せしていると言わざるを得ない。準統一を急ぐべきではありません」と厳しく指摘しました。知事は「保険税水準の統一は、国の方針や県市長会・町村会からの要望」「被保険者間の公平性の観点から望ましい」と答弁しました。
新設県統一減免制度に子どもの均等割り減免を
第3期運営方針では、市町村の条例で行う窓口負担減免や子どもの均等割り減免の財源である、法定外繰り入れを全廃するとしています。一方で、全県統一の減免制度をつくると言います。しかし、その案は、窓口払いの減免を、生活保護基準の1,155倍の所得の人までとし、しかも入院の負担金のみで、市町村によっては大きく後退するものです。また、子どもの均等割り減免は盛り込まれていません。国は就学前の子どもの均等割りを半額減免していますが、第3子の均等割り全額を免除する等、独自の減免を実施している市町村があります。
伊藤県議は「県統一減免では子どもの均等割り減免を実施しないのはなぜですか」と質問。保健医療部長は「国は、減免は各市町村が災害や失業など個々の事情を勘案して行うものであり、特定の対象者にあらかじめ画一的な基準を設けて減免を行うことは適切ではないとしており、基準の中に子どもの均等割減免を含めることは望ましくない」と答弁。伊藤県議は「子どもが多ければ多いほど負担が重くなるのが均等割りだ。この方針は子育て逆行方針だ」と厳しく指摘しました。