埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例に質疑

7月1日埼玉県議会総務県民委員会で、自民党提出の「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」が審議されました。

当事者の声を聴くべき→そのとおり

柳下礼子県議は「差別的取り扱いの禁止」や「パートナーシップ制度整備」が盛り込まれていることなどを評価しました。そのうえで定期的にあらゆる機会をとらえて当事者の声を聴くべきだがどうかという柳下県議の質問に、提出者は「そのとおり。執行部が実行してほしい」と答えました。「事業者の責務や財政上の措置が努力義務になっており、義務規定ではないことが残念という声があるが」という質問に提出者は「社会の理解が進む中で検討できるようになる」また定期的見直しをという質問には「社会の変化は速いので、『3年で見直し』とはしなかった」と答弁。「パートナーシップが必ず整備されるのか不安の声がある」という質問には、「あえて、その2つの制度を例示列挙したのは、それだけ当事者からの要望が高かったから。執行部はその趣旨を踏まえて実施してほしい」と答えました。

 

 

命に係わる緊要性から賛成討論

柳下県議は、以下のように賛成討論をしました。条例案は、県民会議以外の賛成で可決されました。

 

柳下礼子県議の賛成討論

日本共産党埼玉県議団を代表して「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」に対する賛成討論を行います。

私たちのヒアリングに応えてくれたレズビアンの方は「学校時代は、自分の性的志向がまわりにばれてしまわないかいつでも不安でたまらなかった」と話してくれました。埼玉県の調査でも、LGBTQの多くが「死んでしまいたい」など危機的な精神状態に陥ったことがあると答えています。性の多様性を尊重した社会づくりは、命に係わる問題であり、緊要性のある課題です。 こうした中で、条例案をまとめ、県民コメントで広く意見を募り、出された意見をもとに条例案をねりあげてこられた提出者には敬意を表するものです。

同条例案には目的として「人権が尊重される社会の実現」が掲げられ「差別的取り扱い等の禁止」「パートナーシップ・ファミリーシップに関する制度整備」の文言が盛り込まれていることから、党県議団は賛成いたします。

1年後、3年後の見直しを求める

しかし、今なお悩み苦しんでいる当事者からは、様々な意見が寄せられていることも事実です。とくに、事業者の責務や財政上の措置が努力義務になっている点や、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の整備が「その他の理解増進制度」と並列されている点などに不安の声があります。

附則には「必要に応じて見直しを行う」とありますが、1年後、3年後などに必ず見直しを行うよう強く要望をしまして、賛成討論を終わります。