秋山もえ県議の一般質問⑤県教委「地毛証明の扱いについて、積極的な点検・見直しを指示」

6月24日秋山もえ県議は、本会議一般質問を1問1答式で行いました。秋山県議は、県立高校の校則について取り上げました。

88校の地毛証明は、人権侵害。廃止を。

県教育委員会は、秋山県議の一昨年の一般質問を踏まえ、昨年7月「校則の点検・見直しに関する調査」を行いました。秋山県議は「これは高く評価しております」としつつ「この調査で、地毛証明の提出規定がある学校が88校あることがわかっています。本人が変えることのできない生まれつきの髪色を証明させることは議論の余地のない人権侵害です。地毛証明は、すでに、東京都立高校の多くで、廃止されました。本県でも廃止すべきです」と要求。

教育長は「この規定については過去に生徒指導が極めて困難であったときに制定されたという背景があり、現在においてもその規定がそのまま残っているものと考える」として「校則が時代の移り変わりを踏まえたものになっているか常に点検見直しを図っていく」として「生徒の人格と個性を尊重する観点から、昨年9月に通知を発出し、地毛証明の扱いについて積極的な点検・見直しを指示した」「校長会など通じて各学校に指示する」と答弁しました。

髪型や下着の色についての校則、多くが廃止

昨年7月、教育長は地毛証明のほかにも「髪形や下着の色、柄については、子どもの人格や個性を尊重する観点から積極的に見直してほしい」と、該当の校則の廃止を求めておられます。もえ県議は、見直しの進捗状況を質問。教育長は「昨年実施した校則に関する調査結果では、髪型に関して規定を設けている学校は全日制高校134校のうち、127校。下着の色や柄について規定を設けている学校は9校だった」として「積極的な見直しを指示した」と答弁しました。また、その見直しの進捗状況については「多くの学校ですでに規定を廃止している。今年度あらためて校則に関する調査を実施する。」と報告しました。

 

校則を変えたい高校生は85%以上

日本共産党が全国で行った「校則アンケート」では、校則に「変えたいところがある」と答えたのは1453人の回答のうち1248人でした。85.9%に上ります。しかし校則をかえる手続きは校則に書いていないとほとんどの人が回答しました。

秋山県議は「私も実際、県内の高校に通う高校生の話を聞きましたが『生徒総会で、生徒から『ジャージでの登校をできるようにしてほしい』という意見が出た。でも、生徒会が先生に相談したら『ダメ』と言われ、実現できなかった。無力感を感じる』と話していました。」と語りました。

校則策定・改定は「校長の責任」?

校則の策定や改定は「校長がこれを行う」と規定されています。一方、文科省が改定を進めている生徒指導提要試案には、校則は、「絶えず積極的に見直しを行っていくことが必要、どのような手続きを踏むべきか、その過程についても示しておくことが望ましい」と書かれています。秋山県議は「子どもの権利条約にも、校則が意見表明権など条約に基づき子どもの権利を尊重し運用されるべきだと明記されています。校則の策定や改定について、『生徒会や生徒総会などの意向を尊重し校長が行う』とすべきと考える」と求めました。教育長は、「校則を見直す際に、生徒の考えや意見をきき、話し合う機会を設けたり、保護者からの意見を聞く機会を設けることは、生徒が校則に対する理解を深め、自主的に守っていく態度を養う良い機会となる」といいつつ「校則は各学校がそれぞれの教育目標に応じて生徒の進路も見据えながら学校生活におけるルールを定めるもの」「一律に生徒等の意向を尊重する手続きを明文化するということではない」と答弁しました。

秋山県議は「生徒の意向を尊重すると明記することで、どのような不都合が想定されるのでしょうか」と再質問。教育長はこれに答えず「校則は校長の責任の下で定めるもの」と答弁するにとどまりました。