2月定例会を振り返って

3月25日、2月定例会は閉会し、柳下礼子団長が談話を公表しました。

 

2月定例会をふりかえって

 

一、2月定例会は、令和4年度当初予算、令和3年度一般会計補正予算など89件の知事提出議案と「埼玉県ひきこもり支援に関する条例」はじめ14件の議員提出議案を可決・同意し、終了しました。

党県議団は令和4年度一般会計予算はじめ当初予算すべてに賛成しました。党県議団は、かねてより利水効果のない国直轄事業である思川開発や、県学力学習状況調査に対して懸念を表明してきました。そのほか、本委員会や昨年の定例会においても、朝鮮学校や県外私立学校へ通う生徒に対して不支給としている私学助成制度、県民のプライバシーを危険にさらしかねないマイナンバー推進事業、下水道負担金の引き上げなどの問題点を指摘してきたところです。これらについては、県民の声をもとに、今後も改善を求めていきます。

予算案にはLGBTQへの支援、児童相談所・一時保護所の整備や特別支援学校の新設や増築のほか、県民の長年の要望だった乳幼児医療費の窓口負担の撤廃や奨学金返還支援制度の創設、医療的ケア児への支援、重度障害者のグループホームへの県単補助創設などが盛り込まれました。これらは埼玉版SDGsとして「誰一人取り残さない」を掲げ、就任以来取り組んでこられた大野知事の姿勢にふさわしいと考えます。とりわけ、前知事によって、全国最低まで削減された県職員定数について職務に応じた増員へと踏み出したことは、繰り返し職員定数増を求めてきた党県議団として、評価するものです。日本共産党県議団は本当初予算について県民に寄り添った県政をさらに進める観点から全体として賛成としました。

一、ロシアのウクライナ侵攻に対し、2月28日埼玉県議会は、侵攻に対し強く抗議する決議を全会一致で採択しました。党県議団としては、3月17日の予算特別委員会総括質疑の場において、秋山もえ県議がロシアの侵攻に抗議するとともに、ウクライナの避難民への支援とりわけ医療保障について県の支援を求めました。

一、党県議団は、自民党提出の「新型コロナウイルス・オミクロン株の感染症法上の位置づけにおいて『五類感染症』への引き下げを含めた柔軟な対応を求める意見書」案と監査委員人事案件に反対しました。「五類感染症」への引き下げを求める意見書に対し、前原かづえ県議が「「五類」への引き下げを行えば、外出自粛要請や入院措置ができなくなり、まん延を容認することになります。さらに変異株の性質に応じて、「五類」「二類」と随時変更すれば、保健所や医療機関が混乱することは必至です。むしろ「五類」への引き下げではなく、さらなる人的体制や財政的措置による保健所体制の抜本的強化、医療機関への財政的支援などを行うよう国に求めるべきです」と反対討論をしました。

議会選出の監査委員は一貫して自民党のみが推薦されていることから反対としました。

一、村岡正嗣県議と秋山もえ県議が予算特別委員会に出席しました。部局別審査では「県庁DX(デジタルトランスフォーメーション)にあたり、懸念する問題について」「朝鮮学校への私学助成不支給について」「県産材利用促進」「福祉施設職員のPCR検査拡充」「県営水道料金20%引き上げについて」「外国人医療費助成制度の拡充」「県営住宅の増設を」「教員の未配置・未補充をなくすために」「地域防災計画に火山災害を位置付けるよう求める」などのテーマを取り上げました。

中でも村岡県議が県庁DXについて神奈川県が情報統括責任者に(株)LINEの現役執行役員を会計年度任用職員として登用したことを取り上げ、「民間人の幹部登用では住民の利益よりも、企業や業界の利益を考慮して働くことは容易に想像される」「行政の公平性が損なわれてはならない」と質問。企画財政部長は「当面、企業に在籍するものを登用することは考えていない」と答弁しました。

総括質疑に秋山もえ県議が立ち、新型コロナウイルス感染症第6波の教訓として、発熱外来の拡充と支援、全国でも少ない病床の確保を求め、知事は「あらゆる機会をとらえ国に要望する」と答弁しました。もえ県議は同性パートナーシップ制度の導入を求めると、知事は市町村の仕事としつつ、広域自治体でしかできない民間業界団体や宅建業界などへの働きかけは進めていくと答えました。

予算特別委員会採決後自民党より「事業の執行に適切な対応を求める附帯決議」の提出がありました。予算特別委員会内における答弁によって確認された内容であること、予算執行停止など執行権を脅かすような事項がないことから、賛成としました。

一、本定例会では、党県議団の一般質問は行われませんでした。

一、来年度の委員の選任が行われました。議会運営委員に秋山文和県議、総務県民委員に柳下礼子県議、環境農林委員に村岡正嗣県議、福祉保健医療委員に守屋裕子委員、産業労働企業委員に秋山もえ県議、文教委員に秋山文和県議、警察危機管理防災委員に前原かづえ県議、が選任されました。

一、議長選挙が行われ、党県議団は議長選挙では無所属県民会議の岡重夫県議に、副議長選挙では田並尚明県議に投票しました。議長には中屋敷慎一県議(自民)が、副議長には武内政文県議(自民)が当選しました。

以上