秋山文和県議は、12月9日に一般質問を行い民間老朽マンションのバリアフリー化について取り上げました。
老朽マンションのバリアフリー化は社会的課題
高度経済成長期に住宅公団等や建設業者が分譲マンションを大量に供給し、約半世紀を経た現在、居住する住人の高齢化、建物の耐震不足や老朽化などが深刻です。特に問題があるのは、エレベーターのない分譲マンションです。UR賃貸や公営住宅は国・URや自治体がバリアフリー化の責任を持ちますが、このようなマンションはエレベーターによるバリアフリー化が実現できなければ、買い手がつかず、やがてスラム化、社会的負の遺物になることは必至です。
エレベーター設置事例の研究・相談にのるマンション管理士紹介
秋山県議は、全国のエレベーター設置事例の研究を重ね、各地のマンション関係者の相談に乗っている東京都内のマンション管理士を紹介し、「県がバリアフリー化の先進例の研究・紹介、専門家や融資の紹介などに進むべきだ」と求めました。都市整備部長は「現在、県内には建築後40年が経過する分譲マンションは約7万9千 戸あり、20年後には約4倍に増加することが見込まれています」と報告し、「全国では建物の老朽化と入居者の高齢化といういわゆる「二つの老い」 の進行により、管理組合の運営に支障が生じ、マンションの適正な維持管理が困難になるケースが生じている。また、これに伴い、バリアフリー化などの課題も顕在化してくる」として、管理組合の適正な運営を支援することが最優先課題としつつ「議員お話しのバリアフリー化の先進事例の研究・紹介、専門家や融資の紹介につきましても、セミナーや行政連絡会議の活動を通じて、マンション管理組合や市町との情報共有を進めていく」と答弁しました。
国の助成制度をつかって、東村山でバリアフリー化実現
秋山県議は国の優良建築物等整備事業の社会資本整備総合交付金(補助率は国3分の1、地方公共団体3分の1の合計3分の2)を紹介。「本県隣接の東村山市では規則を作り、5階建て44戸のマンションが事業費3600万円、うち公費2400万円でエレベーターを後付けしました。県としても補助制度を創設すべきです。」と求めました。
国の助成制度は、3分の2公費負担
都市整備部長は「建物のバリアフリー化などの改修を行う場合、区分所有者の4分の3以上の合意が必要であり、そのためには管理組合が十分に機能していなければ改修工事を実現できない。また、分譲マンションは私有財産であり、その管理や施設整備は区分 所有者で組織される管理組合が主体的に行うことが基本」として、マンション管理組合支援が優先だと答えました。秋山県議はせっかく国の助成制度があるのだから「まずは補助制度を研究・検討していただきたい」と求めました。部長は「他の事例等をよく検証していくことが重要かと思っている。その点については進めたい。」と答えました。