秋山一般質問①急性期病床7581床過剰?「県地域医療構想は、コロナを想定していない」

12月9日秋山文和県議は一般質問を行い、

県地域医療構想など病床削減計画の撤回と高齢者のリハビリの保険適用について取り上げました。

秋山県議は、党県議としては初めて一問一答式で質疑を行いました。

 

5年間で571床が病床転換された

コロナ第5波の中で全国で200人を超える自宅死亡者を生み出してしまいました。

この事態の背景には、消費税を財源とした国の補助によって病床削減や軽い病床への移行を誘導する病床機能転換促進事業があります。埼玉県では、この補助の名のもとに、2016年から2020年までに571床が急性期病床から回復期病床に誘導されています。埼玉県は、2016年の「埼玉県地域医療構想」の中で2025年に県内の高度急性期と急性期病床が7581床過剰となると試算をしめし、国の病床転換を後押ししてきました。コロナ病床は、患者対看護師の数が7対1の急性期病床です。

病床数削減の議論に固執する県

秋山県議はこの地域医療構想はコロナ禍を想定していたのかと質問。知事は「新型コロナへの対応という緊急事態は想定していなかった」と答え、秋山県議は「急性期病床が7581床過剰という、県民の実情からかけ離れた数字が挙げられており、わが党県議団は認められない」として、「過剰病床数を見直すべきだ」と畳みかけました。知事は「高度急性期と急性期病床の7581床過剰という数字は、医療機関の自己申告の病床数であり、必ずしも状況を正確に表していない」としてあくまで、病床機能や病床数削減の方向での見直し議論をすると答弁しました。

感染拡大時に備えた病床の余裕がない

一方「地域医療構想はコロナなど緊急時を前提としたものとなっていないため、感染拡大時に備えた病床の余裕がない、また地域の状況に応じ二次医療圏を超えて病床配分ができないなど課題があり、国に(見直しの)働きかけをしたい」とも答えました。

公立公的病院統廃合計画「議論することは必要だ」(知事)

秋山県議は公立公的病院統廃合計画の対象に東松山市民病院などがあがっている問題を取り上げました。同病院は感染症病床4床を有しており、この医療圏のコロナ対策基幹病院となってきました。秋山県議は国に対して撤回を要望するよう求めました。知事は「公立公的病院の役割は大きなものがある」と答えながらも「コロナの緊急事態も踏まえて、医療圏ごとに協議の場を設け、病床の種類等も含め議論することは必要」だと、地域医療構想に固執する姿勢を示しました。秋山県議は「それでは東松山市民病院などが廃止されてもかまわないと知事が考えていると思われかねない」と再質問「東松山市民病院の統合や廃止を直ちに意味するものではない」と知事は楽観的に回答しました。

 

高齢者リハの保険適用を

85歳以上の高齢者のリハビリは、厚労省により1日に20分×9単位を上限として認められているのですが、医療現場ではこの間、1日5単位以上は保険診療としてみとめられず、再審査請求をしても却下されています。埼玉県国民健康保険団体連合会にきいてみたところ、5単位以上は、専門の審査委員のチェックによって、却下してきたとのこと。秋山県議は、その要因は、埼玉県の国保担当部局より、埼玉県国保連の「査定率」(医療機関からの診療報酬請求を認めなかった率)が全国平均より低いと指摘したためだとして、「リハビリの本来の目的は、患者の回復です。85才でも丁寧にリハビリすれば、家にもどれる。査定率向上より、このような現場の意欲の方がずっと大切」だと指摘。また国保連は現場医師の不服請求に対して丁寧に説明をすべきだと質問し、保健医療部長は「審査委員から説明を受けることができる場も設けている」と回答しました。