デジタル化は単なる効率化ではない
3月11日、予算特別委員会で「企画財政」と「総務県民」の部局別審議が行われました。
午前、質問にたった守屋県議は県の4月に休業した中小企業・個人事業主への支援金についてデジタルでの申請を基本としたことなどからパソコンやスマホをもたない事業者から相談が寄せられたことにふれ、行政のデジタル化を進めていく上で、県民が不利益を被ることがないようにすべきと指摘しました。またAI導入による職員数や窓口削減についても聞きました。
企画財政部長はデジタル化の波は止められない。将来的には紙での申請等はなくなっていく方向。しかしいきなり紙での申請をなくしたりはせず、段階的に行っていく。「市役所などでも申請を手伝ったと聞いています。今後も県民の状況に寄り添って進めていきます」「デジタル化は単なる効率化ではありません。県民サービスの向上が大前提」と答弁しました。
また守屋県議は市町村システム共同クラウドについて聞きました。「システム共同クラウドは情報システムを集約することになることから、みずほ銀行のシステムトラブルのようにシステムダウンや情報漏洩の影響が広域に及ぶのではないか」とただしました。
企画財政部長は「機器を複数用意し、1つがダメになったとしても別の機器がバックアップする仕組みとなっています。絶対ないとは言えませんが、情報漏洩についてもきちんとシステムを構築して対応しております」答弁しました。
バスの増便のため1200万円負担増 私立学校に支援を
午後、前原県議は、私立学校のコロナ禍での運営費増をとりあげました。
県西南部のある私立学校では、最寄り駅から自動車で20分という立地にあるために、バス通学が不可欠となっています。コロナ禍でバスの乗車人数を減らすためにバスを増便しましたが、日ごろのバス料金負担が非常に重いため保護者に追加負担を求めることができませんでした。
国と県が、運営費補助の感染症特別加算としてバス増便に係る経費もメニューとして加えましたが、この学校の場合バス増便に対する経費1200万円対し、運営費補助は250万円で全く追いついていません。前原県議は引き続き加算すると同時に、県としての増額を要求しました。
総務部長は「来年度のコロナ感染動向をみて判断したい」「学校全体の状況や学校からの声を聴いたうえで、審議会に諮りたい」と答弁しました。
ハンデの有無にかかわらず様々な人が行き交う芸術劇場へ
党県議団は埼玉県芸術文化振興財団を訪問しました。コロナの影響で芸術劇場の施設利用率は6割を切る厳しい状況でしたが、動画配信事業や劇場見学ツアーなど文化・芸術の灯を消してはならないと、財団は様々な努力をされていました。特に、照明や設備など劇場の職員を常勤のまま雇用し続けたことは「文化・芸術の拠点として県有施設の役割が光り輝く事例だ」と前原県議は高く評価。来年度から始まる芸術劇場の大規模改修費用をきくとともに、前原県議は「私は、大規模改修後の企画について、故蜷川監督のゴールドシアター、ネクストシアターの継続や障がい者・女性への支援を盛り込んでいただきたい」と提案。総務部長は「4月から新たに新芸術監督に就任する近藤良平氏は障害者のダンスグループハンドルズの主催者であり、子どもや女性への理解もある方です。蜷川レガシーを発展させLGBTやハンデの有無にかかわらず、さまざまな人が行き交う場所に芸術劇場をしたいと語っておられます」と紹介しました。